日経平均株価は割安感を示唆する指標も散見され始めており、いつ反発しても不思議ではない状況ですね~。と先週豪語しましたが、全然反発しません。3日「新月」安値で切り返す雰囲気がありましたが、戻したうちには入らないでしょう。3月安値から基本数値の「76日目」も通過してしまいました。非常に悲しい、難しい展開となっております。周りは弱気に傾いている人が確かに増えてきたのですが、迷う局面ですね。

 原油先物価格がこれまで以上にボラタイルな動きになってきました。天井を形成する要因の一つです。私は1998年12月に付けた10.35ドルから2000年高値37.8ドルまでの上昇幅27.45ドルを5倍(=137.25ドル)して、10.35ドルからの上昇とした147.6ドル程度を予測値としておりますが、7月に入って145ドルまで上昇してきました。日足のローソク足を見る限りでは、ちょっとこれまでと違った形で下がってきたかなあ~、と感じております。高値圏で陰線連続三本が出ているのです。これまでの上昇局面ではあまり見られませんでした。売りシグナルとしては警戒が必要な形です。

 日経平均ですが、今日の三井不動産(8801)やみずほフィナンシャルグループ(8411)などを見ている限りでは、これ以上大きく下押すような雰囲気にはなりません。たぶん、資源関連株売りの内需株買いをしているのだと思います。米国市場も株は軟調ですが大幅に安値を切ってくるような動きにはなっていません。ドルも意外と堅調です。そういった意味では3月の状況とはまた違いますよね。少しお金の流れが変わってくるような気がします。

 7月16日前後は変化日として注目されますが、そこまでにどのような動きとなるかが重要です。その考え方は変わっていません。まずは、短期テクニカル指標からリバウンドの動きを想定しますが、一目均衡表の雲や基準線の動きからは戻りは大きくなさそうです。そのケースでは二段下げの動きから8月中旬にかけて軟調な動きが続くことが考えられます。ただし、先ほどの話・・・米国株が軟調ながらも底ばい継続、ドルは堅調、原油先物に変調の兆しか?などを考えると、6月高値を上限、足元の水準を下限とした、三角もち合い形成の可能性も・・・などと考えるようになってきました。"原油先物急落→ドル買い、米株買い→日本株買い"となることが予想されるため、ここから大幅に戻す可能性だってあるのです。三角もち合い形成のためには、やはりここから一気に14000円どころまで戻す必要があるでしょうね。原油価格が下落すれば、ちょうど4-6月期の決算発表の前ですから、原油高の影響で業績下方修正があっても、それを一気に織り込む動き(上昇する)になることが考えられます。原油高の影響は企業にとっては大きな問題。企業だけじゃありません。個人だってそうです。ガソリン高は家計を直撃します。感覚でも倍になっていますよね。40L入る車ですと、上がった分で洋服一枚は買えますし、家族で食事一回分程度ですよ。最近、ガソリンスタンドで2000円分入れましたが、お金のない大学時代に戻ったような感覚でした(笑)。とにかくこのまま冬を迎えたら大変。私はストーブを使っていますので灯油代も馬鹿になりません。何事に対しても買い手控えとなれば、小売店に限らず企業の業績は悪くなる一方。原油価格が下がれば企業の業績悪化に歯止めがかかり、実際そうでなくても、株をやる人がそういう考えになれば株価は上昇します。

 日経平均に戻りますが、逆に、7月16日前後まで下げが継続する場合は、4月14日安値を切る可能性は当然高くなります。その際は3月安値を意識して二番底を探る動きが考えられますね。
 その際の下値メドは前回コメントと同じです。6月6日高値から最初の下げ幅である790円の二倍となる1580円を、6月13日安値から下げた水準となる12200円どころを下値メドとみています。それは、2月27日高値から3月安値までの下げを、6月6日高値からの下げとした12187円レベルとほぼ一致するため、強い抵抗になると考えます。

(株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ 東野幸利)