さて、3月17日安値から基本数値の「51」日目は5月30日でしたが、一日違いの前日29日の上昇をもって、加速「変化日」となったようです。次のメジャー変化予測日は17日から20日に集中します。
6月は赤(上昇)か緑(下落)か!17日から20日までにどちらの方向に向かうかですね。
現在考えていますのが、分岐点に立っているNYダウとここ最近のゆっくりとした動きの日経平均です。実はNYダウは今年の1月と3月に安値をつけた動きを除くと、2003年3月安値と2006年7月安値を通るサポートライン上で推移しています。所謂、上昇トレンド継続という解釈も出来るのです。この先、二番底形成後のプルバック(二番底形成後に二番底が確定した水準に一旦戻る現象)が完了し、教科書通りの反騰相場に突入するか、それともサポートラインを下回り二段目の下げに突入するかどうかで、年末までの株価パフォーマンスに大きな差が生じることになります。そういった意味で、6月は日本株にとっても分岐点に立っているNYダウの動きは重要なのです。
マクロ面では明日の5月雇用統計が注目されますが、さほど重要ではありません。マクロ指標面の好転を確認するまでは当面時間がかかるため、引き続き経済指標に対しては一喜一憂する展開が予想されます。景気動向を確認しつつ、企業業績面からの材料待ちといったところでしょうか。
むしろ焦点になるのは商品市況の動向でしょう。直近は軟調ですが、原油価格中心に市況の高止まりが続いており、経済成長の鈍化懸念やインフレ警戒感が強まっています。インフレ懸念から利上げ観測がさらに強まればドルの買い戻しから、商品市況の下落となり、株の意外高へとつながる可能性も否定できません。
ところで、いつか紹介しましたが、NYダウの1881年から2007年までの127年間を西暦末数が同じ年の単純騰落平均で比較した場合、末尾に8の付く年(1888年、1898年、1908年・・・)の平均騰落率はプラス17.1%と、末尾に5の付く年のプラス27.3%に次いで高いというアノマリーが存在します。かなり有名な話、今更なのですが・・・。
2008年の1月初めから5月末現在までの株価騰落率はマイナス4.7%です。年初の株価を下回る状態が続いておりまして、ここから二番底形成後の反騰の動きとなれば、年末にかけてパフォーマンス改善に期待できることになります。今年もアノマリー通りならば・・・。一方で、二段下げから12000ドル水準までの下落となった場合、その後の戻り売りが足かせとなりマイナス状況を脱することさえ難しくなります。米国の大統領選挙の年は4年間の中でもパフォーマンスは決して悪くはないのですけど・・・。
一方、日経平均の過去6月の月間パフォーマンスは良好。特に直近5年間は連勝が続いており、今年に関しても外部環境の落ち着きからは騰勢を強める可能性があります。
主力株が異常に強く感じます。「債券売り・株買い」による債券の需給悪化が本邦機関投資家らの債券偏重型ポートフォリオの解消の動き、または株の「持たざるリスク」につながっており、その受け皿として国際優良株や大手銀行株、業績見通しが良好なセクターなどに資金が流入しています。それが「押し目待ちの押し目なし」という動きをつくっているのです。その後どうなるかといいますと、"最後の出遅れ買い"や"ショートカバー(カラ売りの買い戻し)"などにより、騰勢を強めて一波動が終了というパターンが想像できます。 過去に織り込んだ信用不安としての悪材料が米国発で再び出そうな雰囲気がありますが、それ以上に見なければいけないのは相場の底固さです。「強い相場だから何かがありそうだ」という見方をしなければ、足元の相場の本質を見誤ることになります。
今年から新たな投資主体が出現すると思っていましたが、本当にそうなるような雰囲気になってきました。新たな投資主体とは日本の年金とアラブやアジアの政府系ファンドです。こんな状況で主力株を買うことが出来る投資主体は日本の年金ぐらいでしょう。外資系証券の朝の注文は買い越し基調が続いていますが、本国の株価があまりさえないなかで、他国の株を買うようには思いません。
年金とは公的年金や企業年金。大型株はもちろん、今後はますます小型株での運用も増やしてくるのではないでしょうか。JASDAQやマザーズ、ヘラクレス市場に上場している銘柄のなかに、底値で五陽連(底値でローソク足の陽線が5つ並ぶ)を形成している銘柄はありませんか。
指数では日経ジャスダック指数が週足で小さな陽線がいくつも並んでいますし、月足が今月陽線であれば、赤三兵(酒田戦法の代表的な買いシグナル)になりますよ。
日経平均の堅調な動きに加え、NYダウの反騰の動きが加われば、6月20日にかけて15200円前後までの上昇シナリオを描くことができます。一方、逆の動きも考えられますよね。NYダウが目先、二段目の下げとなった場合には、日経平均は6月20日にかけて3月安値以降に形成した上昇トレンドを大きく修正する動きになることも・・・。分岐点に立ったNYダウの動きは重要です。
(株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ 東野幸利)
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