直近の話のなかでは書かなかったのですが、明日30日も変化しやすい日柄。3月17日安値から基本数値の「51」日目です。
日経平均は22日以降、13650円水準を下値サポートに三角もち合いを形成しており、28日は陰線つつみ足となりました。陰線つつみ足は売りシグナルになるケースが多いのです。28日は日経平均やTOPIXの一目均衡表の雲のネジレからは変化しやすい日でもあったので、後場の下落が二段下げへの初動の動きであるとすれば、三角もち合いの下値サポートを下回り13300円レベルまでの調整がありうるかなぁ~と、28日の取引終了時点で考えていたんです。まさに教科書通りの考え方。ただ、腑に落ちない点がありました。それは、ソニーとトヨタの一目均衡表での買いシグナルです。ソニーとトヨタの買いシグナルとなれば、全体も上か???とも考えました。
そして次の日(29日)、今日ですね、米国株は上昇でかえってきました。そこで考えたのが、25日の移動平均線に上値を抑えられながらも昨日の陰線のなかで、はらみ足の動きとなり、三角もち合いが維持できるかどうかがポイントだと。陰線つつみ足は売りシグナルですが、それを帳消しにする陽線はらみ足が形成されると買いシグナルになり、次に変化しやすい30日は三角もち合いを上にブレイクする変化日(加速としての変化日)にきっとなるはず・・・。逆に13650円水準の下値サポートを下回り、下落が続けば30日に目先の安値を付ける動きを想定していました。ただ、その想定もむなしく、今日の前場で一気に上にブレイクする動きが出てしまいました。"前倒し現象"とでも言いましょうか、私レベルで考えられることは、もうみんなが気付いているということでしたね。
そこで思い出した事は、私が証券マン時代の話です。会社に申請を出さずして社員が株を買うことは禁じられていました。また、短期売買も認められておらず、買った株は最低3か月保有するのがルールでありました。そこで、3か月たったら利益を出して売り抜けようと、テクニカル分析を駆使して底値圏にある銘柄を選んで買った覚えがあります。
ITバブルが崩壊して10分の1、いやもっとかもしれません。大きく下がったネット関連株でした。10分の1以下になったから全値戻しは不可能としても、1/3戻しでも結構な利益になると思い、3か月後に上がっているだろうとの思惑で買ったのです。テクニカルなタイミングが良かったのかどうか、買ったとたんに急騰してしまったではありませんか(驚)。そこで勉強になったことがあります。みんな考えていることは同じだってこと。おかげさまで、3か月後は急騰後のシコリがたくさん出来てしまって、投げ売りがかさみ、買い値をはるか下回る水準まで・・・。忘れもしません、銘柄コード9番台の銘柄でした。
話が随分それましたけど、いや~ソニーとトヨタの買いシグナル・・・・。こっちを重視すれば今日の上昇は予測できていたはず。といっても遅いですけどね。よくこのようなケースはあります。そりゃそうですよね、日経平均を構成しているのは日本を代表する225銘柄の動きそのものです。本当は毎日全銘柄チェックしたいのですが、そんな時間はないですよね。昔、私の師匠(元証券の大先輩)は東証一部の全銘柄を見よ!といってましたけど(笑)。とにかく難しい相場のときは大型の個別銘柄だけでも結構なので、できる限り多くの銘柄のチャートを見ることが重要。日経ミニ先物しか手掛けない人でも、主力個別株の動向ぐらいは日々チェックが必要です。テクニカル面でのボトムアップアプローチですね。
今晩のセミナーの準備のため、今日はこれで終えることにします。今晩のオンラインセミナーでは「モメンタム指標の簡単な見方」についてお話する機会をいただいております。ただその前に、前回4月セミナーでやりました「一目均衡表」の中で使った日経平均の資料を基に、日柄のあたりを中心に簡単に説明させていただきます。
(株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ 東野幸利)
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