国内では決算発表が本格化。相変わらず、外需頼みの海運株は好業績で株価の反応もたいしたものです。決算発表の集中日は今日が215社で、2月8日には230社が予定しています。これまでの決算動向をみると、中間期よりも増益率が鈍化したり、通期予想は据え置きという銘柄を数多くみかけます。下期以降の外部環境悪化や円高傾向などを勘案すると、企業が保守的にならざるを得ないのはしょうがない部分もありますが、業績面での裏付けがないと買いが入りにくいですね。それだけに、数少ない増額修正銘柄はクローズアップされますよ。29日の前引け後に通期予想を増額修正した日本郵船が、2日間で12%上昇したのはその証拠。また、前年同期に比べ進捗率が良好な場合は、再評価の余地はあるだけに“通期予想据え置き”だけで “売り”と単純に結びつけないほうが良さそうですよ。
昨年からの株価の大幅下落で企業業績の悪化を織り込んでおり、相対的に株価の下落に対しては、業績下方修正の度合いは小さい印象。そのかい離がいずれ反発というかたちで修正されるでしょう。全体の地合いが落ち着きを取り戻し、心理面での不安感が後退することを想定した逆張りが有効だ、なんて思いますけど、最近の動きに迷いを感じております。基本的に私は捻くれものですから、株価が上昇しているときは下がる材料、株価が下落しているときは上がる材料を見つけようとします。でも、それはあまりよくありません。利幅が伸ばせなくなりますから(笑)。私はこのコーナーで何度か触れていますが、今年は銘柄交代の期間ですと・・・。その微妙な兆候を見つけるために、細かい部分を毎日観察しています。この決算発表期間でなにかヒントになるものはないかと・・・。
“宮内庁年頭の歌会初めのお題”は、今年は“火”だそうです。例えば、1999年なんかは“青”でしたから、新興企業株が大きく上昇しましたね。“火”で何のテーマや銘柄が発想できますでしょうか、・・・というのは、私が尊敬する株先生が昨年末のセミナーでお話された内容でした。また一方で、私が尊敬する株先輩の話によると、今年のテーマは“水”といっていました。何から調べたのか聞かなかったのですが、連想してみると、水処理関連の栗田工業や「水」の言葉がある清水建設だと・・・。確かに清水建設と同業の大林組は強いですし、銀行株もサブプライム損失と言われながらも、株価はあまり下げなくなってきていますよね。
外需関連銘柄は昨年からの下げが早かった分、リバウンドの動きは強いです。昨年の成功体験が残っているため、また上昇するという発想になり、出来高が集中するんですね。でも下がったから上昇するのは当然。問題はある一定のところまで戻った後の動きです。
そこから、その後の銘柄を選別する必要が出てくるのだと思います。日本株“セル”の後は日本株“バイ”です。でも、現在が時代の転換点だとしたら、銘柄は変わっているはずです。でも、それはその銘柄がある程度上がった後でないと結局はわからないもの。たから株は人気投票なのですね。
(株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ 東野幸利)