今週は2営業日しかない。その後の連休中には、FOMC (米連邦公開市場委員会) があり、週末には米雇用統計の発表が控える。常識的に考えれば、この2日で新規のポジションは取り難い。そもそも国内の投資家は休みをとる者もいるだろう。投資家不在の閑散相場の隙を衝かれ、思わぬ波乱が生じるリスクには注意したいところだ。
米国では1日に4月ISM製造業景況指数が発表される。3月の数値は高水準ながら前月から低下した。トランプ相場始まって以来初の低下であった。このところ景況感の指標も低迷が目立つのでISMが下振れすることには警戒感を持ちたい。2-3日にはFOMCが開催される。今回は金融政策の変更はないだろうが声明文に6月利上げの示唆があるか注目したい。そして5日は雇用統計が発表される。3月はNFPが強烈に下振れたが失業率が4.5%へ低下し市場は冷静さを保った。焦点は賃金の上昇率だ。平均時給の伸びが加速するか注目が集まる。
北朝鮮は29日早朝に弾道ミサイルを発射した。今月に入って3回目。核実験や弾道ミサイル発射が警戒されていた25日の朝鮮人民軍創建85年記念日は避けたが、米国の呼びかけで開かれた北朝鮮の核問題を巡る国連安全保障理事会の閣僚級会合に合わせて挑発に出た。米空母カール・ビンソンも日本海に展開しており、北朝鮮を巡る緊張は高まりこそすれ、緩和はしていない。
これを受けた最初の反応は週明けのアジア時間の外為市場で観られることになる。リスク回避の円高が進めば日本株の重石となる。
日経平均は先週、フランス大統領選の第一回目の投票結果をきっかけに急反発に転じたものの、過去3日間は一目均衡表の雲のなかに入っての推移であり、雲の上に抜け出ていない。今週の2営業日は、この雲の中で横ばい推移なら上出来で、場合によっては再び雲の下に抜ける展開もあるだろう。
出所:ブルームバーグ