ついにすべての移動平均線を下回り、下放れへの警戒が高まる
2025年に入り6営業日が経過しましたが、日経平均株価は1月7日に776円高となった以外は全て下落して終えており、売り圧力の強さがみて取れます。また、株価と移動平均線の位置関係を見ても、3連休明けとなる1月14日の取引で、5日、25日、75日に加え200日移動平均線も下回り、日足チャートで用いられる主な移動平均線すべてを下回ってしまいました(図表参照)。
さらに1月14日は、2024年12月19日につけた取引時間中の安値を下回る場面があるなど、安値を試す値動きに変化しているのが分かります。そのため、200日移動平均線上を回復して維持できるかが注目されます。
仮に200日移動平均線上を回復して維持するようなら、下向きに変化した5日移動平均線や25日移動平均線あたりまで反発することが期待されます。その反面、200日移動平均線を下回ったまま戻せないようであれば、下向きに変化した5日移動平均線が25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生するとともに、2本線の低下が続いて200日移動平均線を下回り、下降トレンド発生が警戒されます。その場合、押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行う必要があるでしょう。
低下が限定的なモメンタムが意味するものは?
一方で、上昇や下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょう。上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインをほんのわずか下回っていますが、株価が716円安となったことと比較すると、イメージほど低下していないことが分かります。
上記のことから、いかに下落幅が大きくなっているように見えても、あるいは感覚的に下落が加速しているように見えても、モメンタムからはそれほど下落の勢いは強くなっていないことが分かります。
モメンタムとシグナルの低下が続くか、上向きに変化するか
では、今後の展開についてどのように考えれば良いのでしょうか。まず注意する必要があるのは、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が低下を続けるかどうかです。仮に2本線の低下が続くようなら、下落の勢いが強まり、株価の下落も続くと考えられます。ただし、株価が下落してもモメンタムとシグナルの低下が限定的だったり、上向きに変化して0ラインを上回ったりすると、下落の勢いが弱まるとともに200日移動平均線を上回って維持することが考えられ、反発期待が膨らむのではないかと思われます。
果たしてモメンタムとシグナルの低下が続くのか、あるいは上向きに変化するのか、引き続きモメンタムの向きと水準に注意し、売買判断に役立てたいところです。