昨日或るインタビューを受けていて、アメリカの株式市場につき(それは日本の株式市場にも影響を与える訳ですが)、イエレン新FRB議長を試しているのでしょう、的なことを云ったら、イエレン新議長はいわゆるハト派であり、株式市場にはプラスではなかったんじゃないですか?と聞かれました。私は、組織などのトップは、トップにならなくては見えないものというものがあると思うのです。

イエレンはバーナンキとほぼ同じものを今まで見てきていて、ほぼ同じ議論をしてきた。考え方ももしかしたら完全に同じかも知れない。しかしそれでも尚、トップでないと知らないこと、今までのイエレンは知らなかったことがあるかも知れません。或いはトップになると考え方が変わるかも知れません。例えば、これは小説の中の話のような空想ごとですが、オバマ大統領は議長にだけ、「○○だけは決してしてはいけないのだよ」と国家機密を囁くかも知れません。その時イエレンはどうするか?

一事が万事、どんな組織でも、トップとスーパー・ナンバー2の間には、情報量その他で大きな差が起きうるものです。だからマーケットは、今までのイエレンではなく、議長となったイエレンがどう考え、どう話し、どう動くかに興味を持っているのでしょう。たかが人間されど人間。トップの為す業は斯くも大きいものですね。