シリアへの軍事介入について議会の承認を求めるというオバマ大統領の判断は、アメリカの民主主義を再定義するための英断なのか、それとも迷いなのか。歴史だけが証明するだろう、とも云えますが、そもそもすぐに議会の結論が出るので、もっと早く評価は出るかも知れません。しかし一件評価が出ても、その評価は流動的に動き続けるでしょう。このようなプロセスを取ったという事実はひとつですが、歴史の中でもその真実や評価は彷徨い続けるのではないでしょうか。The buck stops here. とはトルーマン大統領の有名な座右の銘ですが、オバマ大統領も後世に名を残すでしょうか。どんなものごとにも、それは素粒子のように小さい物質の理から人の世界に至るまで、サイズに無関係に同じ法則が成り立つということはないと思います。今回のオバマ大統領の判断の行方にとても興味を持っています。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。