政策金利は3.50-3.75%で据え置き、中東情勢を受けた様子見の姿勢

現地3月18日に米国のFOMC(連邦公開市場委員会)が開催され、政策金利は3.50-3.75%で据え置きが決定されました。声明文および記者会見では、中東における戦争の勃発を受けた不確実性の高まりが強調されており、金融政策は当面様子見の姿勢を維持するとの印象です。

パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、原油価格上昇についてオイルショックとしつつ、その影響、波及経路や持続性は「誰にもわからない」と強調しました。エネルギー価格上昇は通常一時的なインフレ要因とされますが、いまだ情勢が不透明であること、また見極める時間帯が続くことになります。

同時にパウエル議長が「生産性への確信を反映」したと発言し、公表された経済見通しでは、中期的な上方修正が確認されました。

【図表1】GDP/失業率
出所:FRBよりマネックス証券作成

一方で、物価見通しについては短期的な引き上げにとどまっています。

【図表2】物価/コア物価の見通し
出所:FRBよりマネックス証券作成

そしてFRB当局者による政策金利見通しでは、長期見通しが若干引き上げられました。

【図表3】政策金利予想
出所:FRBよりマネックス証券作成

利下げは遠のく?米金利は上昇・米ドル高の反応に

FOMCメンバーの政策金利見通し分布を示すドットチャートは、前回と比較すると、2026年の据え置きを支持する見方が増えています。また、予測中央値では2027年にかけて利下げが支持されるものの、見方は幅広く割れています。

【図表4】FOMCメンバーの政策金利見通し(黄:ドットチャート、緑:予測中央値、白:金利先物市場の予想)
出所:Bloomberg

パウエル議長から「インフレ鈍化の進展が確認されなければ利下げは行わない」との指摘もあり、市場では利下げ期待が後退しています。米金利は上昇し、米ドル高の反応となりました。

利下げの行方は? 「データ依存」が強まる局面、市場は見極めの時間帯へ

もっとも、市場のインフレ期待を見ると、状況は一様ではありません。短期的なインフレ見通しはエネルギー価格上昇を受けて上振れていますが、中期的な期待は依然として安定しており、現在の不透明感はあくまで一時的で、また金融当局の信認は維持されています。

現在は経済の堅調さと短期的な不確実性が併存する局面にあります。次の一手としては依然として利下げが意識されるものの、そのタイミングは後ずれしています。短期的な不透明感が晴れ、実体経済の堅調さが続けば、市場が利上げを織り込み始める展開もあるでしょう。当面は据え置きを軸としつつも、政策の方向性は一段とデータ依存かつ双方向に開かれたものとなっており、市場にとっては見極めの時間帯が続くことになりそうです。