小説を読むのと実際に人と付き合うのと、どんな共通点と違いがあるだろうか。映画との比較の方がもっと分かり易いかも知れない。映画を見て感動して涙を流したり悲しくなることはあっても、動揺したりカッとなったり、怒りで椅子を叩きつけることもないだろう。実際の人付き合いでは、泣くことはあっても、映画を見てなるほど多くはないかも知れない。そして映画とは違って悪い方向に感情的になることは多いかも知れない。映画を見る方が、小説を読む方が、いい感情の動きは多く、悪い感情の動きは少ないと云うことだろうか?

私はそうはしたくない。実際の人生の方が、映画よりも小説よりも歌よりも、感動に溢れ、学ぶことが多く、そして怒ることの少ないものにしたい。20時間だけ香港に来て昨晩或る友人と話していて、そんなことを思い、彼にもそう話したのでした。