アーサー・クラークが死んだそうです。享年90歳。アーサー・クラークと云えば、「2001年宇宙の旅」の原作者です。

スタンリー・キューブリックが撮ったこの映画の主人公の名前はHAL。人間を超えた知能を持ったコンピューターです。HALはIBMのアルファベットをひとつずつ前に出してあり、「未来のコンピューター」と云う含みがあったと云われています。そして当社の名前MONEXも、同じようにMONEYのYをひとつ前に出して、「未来のMONEY。次世代に於けるお金との付き合い方をデザインして提供していこう。」と云う考えから私が命名したものです。そのアーサー・クラークが死にました。

人は皆、死に向かって生きているようなものです。必ず老化し、消え去る。未来を見つめた偉大なSF作家であるアーサー・クラークも、やはり当然過去のものとなりました。「2001年宇宙の旅」が封切られたのは1968年。その時点では2001年は未来でしたが、今ではもう過去です。HALも、今ではもう陳腐化したコンピューターの筈です。しかしHALを生んだアーサー・クラークの気持ちは、いつまでも生き続けるでしょう。それは、未来を見つめるまなざしであり、未来への前傾姿勢です。そのベクトルは、過去も、今も、未来に於いても、同じ向きを向いています。

MONEXは1999年に生まれました。しかしMONEXは1999年から見た未来の金融ではありません。MONEXはベクトルをそのまま具現化して存在するような、陳腐化しないその時その時の未来でなければいけないと思っています。MONEXは過去から見た未来ではなく、ローリング・フューチャーなのです。「新しくなり続ける、常に未来の金融」を実現することを強く誓って、MONEXの間接的な名付けの親であるアーサー・クラークの冥福を祈りたいと思います。