東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、一時4万円をつける大幅高となり4日続伸となりました。前日の米国市場におけるハイテク株高を背景に477円高の39,849円で寄り付いた日経平均は、その後上げ幅を拡大し、2ヶ月ぶりに節目の4万円を上回りました。10時14分には719円高の40,091円まで上昇し、本日の高値を更新しました。高値以降は、上げ幅を縮小し508円高の39,881円で前引けとなりました。

後場は39,900円を挟んでもみ合いの展開で始まるも、14時半頃より上げ幅を拡大し、15時過ぎには再び4万円を超える場面も見られました。しかしその後は伸び悩み、最終的には476円高の39,849円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が3日ぶり反発、0.5%高となりました。

2.個別銘柄等

アドバンテスト(6857)が一時5.5%高をつけ、大幅反発となりました。外資証券によって同社の目標株価が足元の水準を大きく上回る10,500円まで引き上げられたことや前日の米国市場におけるハイテク株高が追い風になりました。同様に東京エレクトロン(8035)は0.6%高、ディスコ(6146)は1.5%高でともに反発して取引を終えました。

中部電力(9502)が4.5%高で3日ぶりに反発となりました。国内証券による投資判断と目標株価の引き上げが買い材料となりました。財務健全性の高さや配当利回りから見た割安さが評価されています。

くら寿司(2695)が一時17.5%安をつけ年初来安値を更新し、大幅反落となりました。前日11日に2024年10月期の通期決算発表にて、営業利益は前期比2.3倍の56億円となるも、市場予想を下回ったことや、今期の営業利益は12.3%の減益の見通しを発表したことで失望売りへとつながりました。また、2025年4月30日を基準に株主優待の廃止も併せて発表し、優待廃止を嫌気した個人投資家の売りも下げにつながりました。

モバイルオンラインゲームを開発するgumi(3903)は15.2%高をつけ続伸となりました。終値でも東証プライム市場で、上昇率トップで引けています。前日11日に第2四半期決算を発表し、営業利益が1億7,900万円となり、前年同期と比較し黒字転換となったことが好感されました。

Vチューバ―(バーチャルユーチューバー)のマネジメントを手掛けるANYCOLOR(5032)は3.2%高で6日続伸となりました。前日11日に中間決算を発表し、前年同期比で増収増益となる堅調な決算内容が評価され、買いが集まりました。

その他の銘柄では、ソニーグループ(6758)が連日、上場来高値を更新し、終値では4連騰となり3.0%高で取引を終えました。リクルートホールディングス(6098)は一時5.1%高をつけ上場来高値を更新、ディー・エヌ・エー(2432)は5.0%高と、サービス業に分類される銘柄の上昇が目立ちました。

VIEW POINT: 明日への視点

前日の米CPI(消費者物価指数)を消化し、市場は来週の中銀ウィークに視線を移した印象です。CPIの結果を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)による12月の利下げがほぼ確実視されており、米国市場での上値を追う動きが期待されます。

明日に向けて、日本では日銀短観が発表される予定で、年度末までの業況感が示されます。日銀の審議委員メンバーも注目する短観に注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)