原油の値段が高騰しましたが、先進各国に於けるGDPに占める原油の輸入額はかなり低くなっているので、経済に与える影響は一般に心配される程は高くなく、限定的でしょう。
それよりも気になるのは、原油産出国に発生している筈の、原油高による多額の収益です。一説によると、今回の原油高による過剰収益は50兆円に上るとも言われています。先ず思うのは、このお金は所謂オイル・ダラーとして、各国の資本市場に流入してくるだろうと言うことです。それは勿論日本を含んでおり、既にかなりの額が流入しているでしょう。
もう一つ気になるのは、原油産出国の多くは貧富の差や貧困問題などを抱えていますが、それらの問題がこの収益を背景に少しでも解消に向かっているというようなことは一切聞こえてこないことです。皮肉な話ですが、天然資源を多く持っている国ほど、汚職や政治腐敗、少数による冨の搾取があるものです。天然資源のない国の政治腐敗はたかが知れています。
天然資源は、戦争を含めて常に大きな問題の原因となってきました。
今回の顛末も、注意深く見ていきたいと思います。