金利差からかい離してきたユーロ安

ユーロ/米ドルは9月に入ってから下落が加速し、一時1.11米ドル割れ近くまで下落した。この動きは、基本的には独米金利差(ユーロ劣位・米ドル優位)拡大に沿ったものだった。ところが、その独米金利差は10月に入ると拡大が一巡し、縮小に転じた(図表1参照)。

【図表1】ユーロ/米ドルと独米金利差(2026年4月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

これは、9月に広がった世界的長期金利上昇が、10月に入って反転したことによる(図表2参照)。独米ともに長期金利が低下する中では、金利水準の高い米国の長期金利がより大きく低下することから、金利差はユーロ劣位・米ドル優位が縮小した。ユーロ/米ドルは、これまでのところ金利差縮小ほどの反発とはなっていないものの、それでも下げ渋りが目立つようになった。

【図表2】米独の10年債利回りの推移(2026年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

徐々に2012年欧州債務危機に迫ってきたユーロ売り越し

金利差縮小の割にユーロ反発が限られているのは、フランスなどの財政規律への懸念が影響している可能性はあるだろう。ただ、そうした中で、すでにユーロもかなり大きく売られる結果となっている。

CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋のユーロ・ポジションは、10月末までに売り越し(米ドル買い越し)が14万枚まで拡大した。経験的にユーロ売り越しは、20万枚以上になると「行き過ぎ」懸念が強まる(図表3参照)。

【図表3】CFTC統計の投機筋のユーロ・ポジション(2010年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

2012年にかけて欧州債務危機が展開したが、この局面でのユーロ売り越しは21万枚がピークとなった。以上を参考にすると、ここからさらにユーロ売り越しが拡大すると、徐々に「行き過ぎ」懸念が強まる可能性があるのではないか。

一時的反発でも最大1.15米ドル程度までの可能性はあり?

ユーロ/米ドルは、2026年1月の1.2米ドルから下落してきた。経験則からすると、下落トレンドが続いている間は、それと逆行する一時的な上昇は、最大でも52週MA(移動平均線)を大きく超えない程度にとどまる。

その52週MAは、足下で1.15米ドル程度(図表4参照)。ユーロ/米ドルは、9月に1.15米ドル程度から下落が加速したが、独米金利差やユーロ「売られ過ぎ」の修正が本格化する局面では、ユーロ下落が加速を始めた1.15米ドル程度まで戻る可能性もあり得るのではないか。

【図表4】ユーロ/米ドルと52週MA(2000年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成