現物需要がレバレッジ整理を吸収、市場の警戒ムードにも底堅いBTC(ビットコイン)
ビットコインは先週(8月24日週)、急騰後も7万ドル台後半~8万ドル前後の高値圏で推移しました。週初にはデリバティブ市場でロングポジションの整理が進み、先物の建玉も一時縮小しましたが、価格の下押しは限定的でした。
現物側では米国の現物ビットコインETFへの資金流入が下支えとなりました。Farside Investorsの集計では、8月24~27日の4営業日で約11.3億ドルの流入超となり、28日は約2.0億ドルの流出に転じたものの、週間では約9.2億ドルの流入超を維持しています。
レバレッジ整理を現物需要が吸収する構図が続いている点は、相場の底堅さを示す材料でしょう。8月28日、ジャクソンホール経済シンポジウムの基調講演でウォーシュFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、インフレ抑制を重視し、必要であれば追加利上げも辞さない姿勢を示しました。市場はタカ派的なメッセージと受け止め、9月利上げの織り込みは35%台から55%台へ上昇。米国債利回りと米ドルが上昇し、8月28日のビットコインはドル建てで約3%下落しました。
それでも8月29日・30日は7万7,000~7万8,000ドル台で下げ止まり、急騰後の値幅調整にとどまっています。金融政策や地政学リスクには注意が必要ですが、押し目での現物需要が続くかを今週(8月31日週)も確認したほうがよいでしょう。
ビットコイン、今週(8月31日週)は1300万円台への定着を試す展開となるか?
BTC/JPY週足チャート: 長期トレンドの転換を意識させる形
BTC/JPY日足チャートを確認します(図表1)。
SMA30(黄色)がSMA200(橙色)に接近しており、ゴールデンクロスを形成する可能性が高まっています。
短期の移動平均線が上向きに転じており、長期トレンドの転換を意識させる形になってきました。さらにSMA90(水色)がSMA200を明確に上回れば、中長期の上昇基調をより強く確認できそうです。
現在の傾きが続くなら、そのタイミングは1~2ヶ月程度先になる可能性があります。なお、8月28日にBTC/USDは一時8.13万ドル台まで上昇しており、米ドル/円が160円前後で推移していることを考えると、単純換算では1300万円近辺はすでに射程圏です。今週(8月31日週)は1300万円を一時的に超えるかではなく、その水準を明確に上抜けて定着できるかがポイントでしょう。
直近高値となる8.1万ドル台を明確に上抜ければ、次の大きな心理的節目として10万ドルが改めて意識されます。急騰後の戻り売りをこなしながら高値を切り上げることができれば、10万ドル付近までの回復は想定より早くなる可能性もあるとみています。
4時間足チャート:ダイバージェンスを消化、再上昇を試すか?
BTC/JPYの4時間足チャートを確認します(図表2)。
MACDはゼロライン付近まで低下し、先行して見られた弱気ダイバージェンスに伴う調整は一巡しつつあります。短期的な過熱感が後退したことで、ここからMACDがゼロライン近辺で切り返すのであれば、再び直近高値を試す展開が期待できるでしょう。
価格は直近の水平サポートを試す局面です。この水準を維持して反発に転じれば、戻り売りポジションの買い戻しが上昇を加速させる可能性があります。
一方、サポートを明確に割り込む場合は調整が長引く可能性もあるため、その点には注意が必要です。現時点では押し目買い目線を維持し、直近高値の更新を狙うシナリオをメインに考えます。
ETH(イーサリアム)は過熱感を消化、サポート奪回が焦点
ETH/JPY4時間足チャートを確認します(図表3)。
アセンディングトライアングルのサポートラインを一度下抜けており、BTCと比べるとチャート形状はやや弱くなっています。一方、MACDはゼロライン近辺まで低下しており、上昇局面で蓄積していた短期的な過熱感はかなり後退しました。
ここからMACDがゼロライン近辺で切り返し、価格が失ったサポートラインを早期に取り戻せるなら、上昇トレンド再開のシナリオが再び優勢になるとみています。直近高値を明確に更新できれば、次の目標として48万円方向を意識します。
ただし、サポートを奪回できないまま下落が続く場合は、SMA90(水色)付近までの調整には注意が必要です。週後半にかけてSMA90が切り上がってくれば、同水準が押し目の候補となりそうです。反発を確認しながら買い場を探る局面と考えます。
今週(8月31日週)の暗号資産(BTC・ETH)動向のポイント
・ビットコインは高値圏でレバレッジ整理をこなしつつ、現物需要に支えられ底堅く推移している。
・米国の現物ビットコインETFは8月28日に流出へ転じたものの、8月24~28日の週合計では約9.2億ドルの流入超に。
・ウォーシュFRB議長のタカ派発言でドル高・金利上昇が進み、ビットコインは一時下落したものの、7万7,000~7万8,000ドル台で下げ止まっている。
・BTC/JPY日足ではSMA30とSMA200のゴールデンクロスが視野に入り、今週は1,300万円台に定着できるかが焦点に。
・BTC、ETHとも4時間足のMACDはゼロライン近辺まで調整しており、サポートから反発できれば上昇トレンド再開の可能性が高まる。
