現在のファンダメンタルズ:イベント通過で米ドル高地合い継続
先週(6月15日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 159.721円~161.797円 161.302円
・ユーロ/米ドル:1.14178ドル~1.16215ドル 1.14738ドル
・ユーロ/円: 184.283~186.314円 185.078
先週(6月15日週)の為替市場:米ドル/円は2024年の高値をうかがう展開に
6月15日週の米ドル/円は6月16日の日銀会合、17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)と金融政策ウィークで始まりました。日銀会合は、前週の報道されていた通り、政策金利を0.25%引き上げて1.0%とし、2027年4月から国債購入減額停止を決定しました。また、植田総裁が欠席し、内田副総裁の会見も注目はされたものの、タカ派な発言も無く無風通過となりました。
続いて、6月17日のFOMCでは現状維持は予想通りだったものの年末時点での金利見通しの中央値は0.25%の利上げとなり、前回3月の0.25%利下げから大きく方向転換しました。現時点でのFF先物における利上げ時期の織り込みは、2026年の年末から9月へと前倒しされ、さらに12月にも利上げが見込まれるなど、年内2回の利上げ(4.0~4.25%)を織り込み始めました。インフレが収まらないことから「1回の利上げは必至」という見方から、「利上げサイクルへの転換」という見方へと移り、市場参加者の見方は一段とタカ派になってきたと言えます。
そして、最大の注目は米国とイランとの覚書(MOU)合意でしたが、スイスでの調印式前に双方が電子署名はしたものの、イランが「イスラエが合意を守っていない」と不満を示したことで調印は延期され、さらに週末にはホルムズ海峡を閉鎖するという発表もありました。その後米国から進展があったとの報道もあり、協議自体は継続しているという楽観的な見方のほうが、金融市場参加者の間では優勢に見えます。
しかし、為替市場は相変わらず動きが鈍く、よほどの材料が出てこないと大きな動きにはつながらないようです。一方で、現状の材料が続く場合には基本的に米ドルが底堅い流れの中で、細かな上下にとどまる程度の値動きと考えていたほうが良さそうです。
米ドル/円に関しては為替介入警戒感があるものの、2024年介入前の水準(161.949)を上抜けずにボラティリティが低状態であれば、介入が出る可能性は低いとみています。そうなると、今週も161円台前半をもみあいの中心としつつ、2024年来高値を更新する際の値動き次第では介入の可能性もあるというスタンスで良いでしょう。
米ドル/円チャート(週足)、上昇トレンド継続、年初来高値を視野に
長期的な判断は週足で行います。
テクニカルには緩やかな米ドル高のトレンドが続いていて、161円台に乗せてきたことで2024年高値の161.949(上に引いてある赤の水平線)をターゲット兼レジスタンスとする流れになっています(図表1)。既に160円の大台も遠のいてきた感も強く、介入警戒感はあるものの、テクニカルには米ドル高を意識せざるを得ない地合いにあります。
既に2024年高値に近づきつつある状況下で、もし米国とイランとが正式合意に至らず、再び戦争状態になれば、リスクオフの米ドル買いで高値更新という展開になるかもしれません。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足)、5月7日からゴールデン・クロス状態が約1ヶ月半継続
短期的な判断は日足で行います。
米ドル/円は狭い値幅で着実に円安が進行していることもあって、5月7日のゴールデン・クロス(GC)状態がいまだに継続しています(図表2)。本日でちょうと1ヶ月半となりますが、過去のケースを見てもここまで長く続く短期トレンドは珍しいと言えます。そうした点では、次のデッド・クロス(DC)は注意が必要ですが、金融市場を取り巻く環境に変化がなければ、さらにその次のGCにより注目することになります。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドルは緩やかな下降トレンド継続
ユーロ/米ドルのチャートからみていきます。
週足チャート(図表3)では、ユーロ/米ドルでも緩やかな米ドル高が続いており、緩やかな下降トレンドとなっていることが確認できます。緑のレジスタンスラインと青の拡散ウェッジ下側のラインに挟まれた下降ウェッジ内での下げという見方で良いでしょう。
日足チャート(図表4)では上下しながらも着実に水準を下げてきたため、今週(6月22日週)は3月13日の安値1.14107を視野に入れる展開となってきました。スターマー英首相が本日(6月22日)にも辞任を表明すれば、英ポンドが一段安となり、それに追随してのユーロ安という流れが考えられます。
現時点ではまだきれいな線が引けないため、緑のレジスタンスラインのみ残してありますが、値動きとしてはきれいな下降N波動を繰り返しています。なお、2本の移動平均線は6月17日にデッド・クロス(DC)に転じましたが、当面はDCを優先して見ていたほうが流れに乗りやすいと言えます。
ユーロ/円はもみあいも長期的には若干底堅い動き
ユーロ/円(図表5)は、米ドル/円とユーロ/米ドルともに米ドル高の流れが続いていますので基本的にはもみあいですが、より長期的には緩やかな上昇トレンドが続いています。今後の米ドル/円の動きと為替介入次第という感じはありますが、仮に介入が行われたら米ドル/円もユーロ/円も買うと考えている参加者は多いと考えられます。
日足チャート(図表6)の通り6月18日にデッド・クロス(DC)となりましたが、2本の移動平均線がほぼ重なった状態であり方向感に乏しい状況です。現在のDCも今後発生するゴールデン・クロス(GC)も、もう少し2本の移動平均線が離れていないと、判断材料として参考になりません。チャートパターン的には短期拡散型ウェッジを形成中に見えるため、その点からも今はあまりテクニカルは参考にならないと考えたほうが良さそうです。
主要通貨の為替市場は全般に我慢の時期が続くようです。それでは今週も良いトレードを!
