足元のビットコイン相場とマクロ環境の整理

・米国株はマグニフィセント7を中心とする大手ハイテク企業の好決算とAI半導体ブーム再燃で高値更新が続いている。ビットコインもリスク資産として連動上昇している一方、上値は重い局面が見られる。

・地政学リスクは一時的に高まったが、米国・イランの開戦直後に跳ねたVIX指数は4月8日の停戦後に低下した。また、米中会談も無難に通過するなど過度な警戒は後退し、株式とビットコインへ資金が戻っている。

・ただ、原油高の継続でインフレ再燃懸念は強まっている。米CPIのコア指数は3~4月に上振れ、FOMC(米連邦公開市場委員会)要旨はタカ派寄りだった。利上げが意識される展開では、AI半導体相場やビットコインが一時的に調整する可能性がある。ビットコインは2024年に米国で現物ETF承認されて以降、米金融政策や地政学ニュースに対する感応度が高まっている。

株式調整リスクへの備えとしてのビットコインの位置づけ

・金は米国・イランの開戦以降むしろ軟調で、同期間のパフォーマンスはビットコインが優位であった。リスク選好の局面ではビットコインに資金が向かいやすい特性が確認できる。

・株式の急落時にビットコインも下落する。ただ、新型コロナや関税ショック時のように、反発の速度と上昇幅はビットコインが株式よりも速く大きい傾向がある。

・株式中心のポートフォリオにごく小さな割合でもビットコインを組み入れると、上昇相場のアップサイドを確保しつつ、下落局面のドローダウンを一部緩和できる可能性がある。

・現物ビットコインETFの資金フローは価格と連動性が高く、上昇局面で流入、下落局面で流出が強まる。米金融政策や地政学のヘッドラインがフローを左右するため注視が必要である。

政策イベントの注目点

・FRB(米連邦準備制度理事会)議長にケビン・ウォーシュ氏が就任し、直近のFOMCはタカ派色が示された。就任後初の6月会合でのスタンスが相場の転換点になり得る。

・米暗号資産規制では、暗号資産の定義を明確化する「クラリティ法」が上院委員会を通過し、ステーブルコインの利息付与は妥協案で整理が進んでいる。一方、政府関係者の暗号資産投資を制限する倫理条項の行方は不透明である。

加えてビットコイン準備金に関する法案の審議が始まりつつある。これらとイラン情勢の帰趨が、原油・インフレ・金融政策を通じて市場全体とビットコインの方向性を左右する。