株式市場の上昇に連動する形で、暗号資産市場にもリスクオンの資金が流入
地政学リスクの後退を織り込む買いが先行
米国・イランの基本合意に関する報道が相次ぎ、暗号資産市場では高値を切り上げる銘柄が目立ってきました。ホルムズ海峡の通行再開に向けた協議が進展しているとの見方から、地政学リスクの後退を織り込む買いが先行しているようです。
BTCは4月に月足ベースで大陽線を形成し、5月に入ってからも日足レベルでは陽線が目立つ展開が続いています。株式市場の上昇に連動する形で、暗号資産市場にもリスクオンの資金が流入している印象です。
※海外の主要5取引所(Binance、OKX、Bybit、MEXC、Gate.io)におけるBTCUSDTポジションを円建てで表記した清算マップです。
上値を追った後に反落するリスクにも注意が必要
連日の上昇相場により、ショートカバーが断続的に発生しました。直近90日以内に建てられたレバレッジ売りポジションの大半は一掃されたとみられます。現在は、買い越しが1.5兆円近くある一方で、売り越しは1,136億円相当で、ポジション量には10倍以上の大きな偏りが存在しています。
ヒートマップを確認すると、黄色い横棒で表示されている箇所が清算・ストップの集中帯です。特に1,250万円以下には断続的にストップが並んでいることが確認できます。
こうしたポジションの偏りを踏まえると、週後半にかけては、これらのストップを一度狙いにいくような値動きが想定されます。短期的には、1,200万円手前までの押し目買い機会が訪れる可能性もありそうです。
ただし、相場全体としてはすでにショートカバーがかなり進行しており、ここからの上昇余地はやや限定的になりつつあります。買いが積み上がっている分、上値を追った後に反落するリスクにも注意が必要でしょう。
BTC(ビットコイン)は、200日線回復で目先の天井をつけるか?
現在は200日移動平均線(橙)手前でやや反落気味の推移となっています。ただし、中東問題の解決期待を背景としたリスクオン相場はもう少し続く可能性があり、短期的に押しが入ったとしても、再度上昇を試す展開を想定しています。
チャート上に矢印で記載したように、一度押し目を形成した後、再び高値をうかがう値動きをイメージしています。その際に200日移動平均線を明確にブレイクできるのか、あるいはホルムズ海峡の通行再開や基本合意締結を材料に「セル・ザ・ファクト」となるのかが注目点です。
BTC/JPY日足チャート分析です。個人的には、後者の「セル・ザ・ファクト」的な値動きを警戒しています。MACDは日足レベルですでにダイバージェンスが発生しており、上昇の勢いに陰りが見え始めています。価格は高値圏を維持しているものの、テクニカル指標のモメンタムは鈍化しており、短期的な過熱感も出てきました。
清算マップにおけるポジションの偏りも加味すると、ここからは上値追いよりも、戻り売りを意識した展開を想定したいところです。
BTC/JPY は1,230万円への調整の可能性
BTC/JPYの4時間足チャートをみていきましょう。短期的には一度反落を想定しています。その後の反発も視野に入れつつ、SMA90(水色)付近までの調整が入ることを前提に、トレード戦略を組み立てたいと考えています。
目先は1,230万円レベルへの調整を意識しています。まずは短期的な売りトレードを検討しつつ、日足レベルでは再び上昇する可能性もあるため、一度下落した後の戻りを待ち、再び戻り売りを狙うスタンスが良いでしょう。
現在の相場は、地政学リスク後退によるリスクオンと、短期的な過熱感が同時に存在している局面です。そのため、単純に強気一辺倒で追いかけるよりも、上昇後の反動を冷静に狙うトレードのほうがリスクリワードは良いと考えています。
ETHの下落余地、BTCよりも相対的に大きいと予想
ETH/JPYの4時間足チャート分析です。アルトコイン全般はBTCの上昇についていけていないものが多く、ETHはその代表例といえるでしょう。BTCが上値を伸ばす一方、ETHは4月の高値を超えられず、徐々に上値を切り下げていることがわかります。
チャート形状としては、明らかにBTCよりも弱い印象です。SMA200(橙)を間もなく割り込みそうな位置まで下落しており、上昇に勢いがありません。BTC主導のリスクオン相場の中で、ETHの追随力は限定的であり、アルトコイン市場全体の弱さも意識されます。
目先は35万円までの下落を意識したトレードを想定しています。私自身の投資戦略としてはBTCと同様に戻り売りを基本戦略とし、BTCが1,230万円付近まで調整したタイミングで、ETHもいったん手仕舞いするつもりで考えています。その後、BTCの戻りを待ちながら、同じタイミングで再び売りトレードを実行するイメージです。
BTCよりもETHのほうがチャート形状は悪く、下落余地も相対的に大きいとみています。そのため、売りトレードの比重はBTCよりもETH中心で考えています。
中東情勢の緊張緩和については、すでにマーケットがある程度織り込んだと判断しています。ここからは、上昇トレンドの最終局面で発生しやすい反動を狙い、戻り売り中心のトレードで収益機会を探っていきたいと思います。
今週(5月4日週)のポイント
・米国・イランの基本合意報道やホルムズ海峡通行再開期待を背景に、暗号資産市場はリスクオンの流れが継続。
・BTCは4月に月足大陽線を形成し、5月も堅調な推移が続いている。
・海外主要取引所ではBTCのショートポジションが大きく整理され、ショートカバーはかなり進行したとみられる。
・一方で、現在はBTCの買いポジションが大きく積み上がっており、ポジションの偏りには注意が必要。
・BTC/JPYは200日移動平均線回復を試す局面だが、MACDには日足レベルでダイバージェンスが発生した。
・地政学リスク後退が「セル・ザ・ファクト」につながる可能性を警戒。
・短期的にはBTC/JPYの1,230万円付近への調整を想定。
・ETHはBTCに比べてチャート形状が弱く、4月の高値を超えられず上値を切り下げている。
・売りトレードを狙う場合は、BTCよりもETHの比重を高める戦略を意識。
・中東情勢の改善期待はおおむね織り込み済みとみて、上昇後の反動を狙う戻り売りスタンスを基本としたい。
