現在のファンダメンタルズ:米国・イラン交渉期待がやや優勢か

先週(4月13日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円:  157.589円~159.858円   158.623円
・ユーロ/米ドル:1.16637ドル~1.18487ドル 1.17631ドル
・ユーロ/円:  186.205円~187.942円   186.595円

先週(4月13日週)の米ドル/円:介入警戒感とリスクオフ巻き返し

先週(4月13日週)の米ドル/円は、4月11日に行われた米国・イラン協議の決裂を受け、リスクオフ(原油高、株安、米ドル高)の流れで始まりました。ただ、停戦は4月22日(日本時間9時)まで継続し、協議再開に向けた動きも続いているとの報道が出たため、週初のリスクオフの動きはすぐに収まりました。

その後、週末に向けて4月18、19日にも2回目の協議が行われるのではないかとの期待から、原油価格の上値は重く、株式市場も底堅い展開が続きました。さらに4月17日には、米国が「イランの濃縮ウラン放棄と引き換えに資産凍結を解除する」という新たな提案を示し、米国・イラン双方から停戦期間中のホルムズ海峡解放に言及する発言も出ました。これらを受けて、リスクオフの巻き返しが加速し、NY原油は80ドル台へ下落。米ドル/円も一時157.589円へと水準を下げました。

ただ、週末前のポジション調整に加え、協議再開の不透明感もあったため、週末の終値は158.623円へと戻しました。また相場全体としてはあまり目立った動きは見られませんでしたが、4月15日には日米財務相会談が開かれました。片山財務相は会談後、為替について議論を行ったとし、「必要ならば断固たる措置も取る」と発言しました。引き続き介入警戒感もあり、米ドル/円での値動きは上下ともに抑えられやすい地合いが続いています。

なお、週末もホルムズ海峡は閉鎖されたままで、4月17日に高まった期待感は急速に萎みました。停戦期限(日本時間4月22日9時)までに交渉が進展しなければ、イランへの攻撃が再開されるリスクが高いという思惑から、週明け4月20日の金融市場は全般にリスクオフの動きで始まっています。NY原油の時間外取引では一時90ドルの大台を超えていますし、ダウ先物も4月17日の大幅上昇前の水準へと押し戻され、為替市場は全般的に米ドル高の動きで始まりました。

停戦期限は、さらに2週間延長される流れになるのではないかと思います。ただ、先週(4月13日週)は株式市場を中心に楽観論が強かった反動から、停戦期限を迎えるまではリスクオフ気味の動きに戻りやすいとみられます。そろそろ材料的には飽きられてきた感もありますが、まだまだイラン情勢が金融市場を上下に振れさせる流れが続くでしょう。

先週(4月13日週)のユーロ/米ドル:底堅い動きから反落へ

先週(4月13日週)のユーロ/米ドルは、米ドルの動きとしては米ドル/円同様に、米ドル売りの流れが4月17日NY前場まで続きました。協議再開への期待から一時は1.18487ドルの高値をつけました。しかし週末前のポジション調整に加え、4月16日に4月ECB(欧州中央銀行)理事会での利上げ思惑が後退したことも重なって、1.17ドル台半ばへと下押しして引けました。

ユーロ/円も187.942円まで高値を延ばしていましたが、186円台前半と週初の水準近くまで下押しして引けています。

米ドル/円チャート(週足):上昇トレンド継続も、介入警戒感で上値も限定的

長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。

週足チャート(図表1)では、米ドルは上昇トレンドが継続しているものの介入警戒感もあり、ここ1ヶ月は高値圏の横ばいとなっています。水準的には年初来安値と年初来高値の38.2%押しとなる157.261円と大台160円との間でのもみあいが続くという見方で良いでしょう。

【図表1】米ドル/円(週足)
出所:マネックストレーダーFX
【週足チャートの見方】
長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。

米ドル/円チャート(日足):4月17日にデッド・クロス発生

短期的な判断は日足で行います。

米ドル/円は、4月17日に下げた動きもありデッド・クロスが発生しました。ただ、2本の移動平均線の距離が近いうえ、週明けには米ドル買いの動きも出ています。目先はゴールデン・クロスとデッド・クロスが短期間で変化しやすい状態です。それよりも、緑の平行下降チャンネル内での動きが続く点を重視したいところです。チャンネル下限と先程触れたフィボナッチ・リトレースメントの38.2%押しが重なる157円台前半は、当面の強いサポートになるとみたほうが良さそうです。

レジスタンスは介入警戒感から160円の大台で変わりませんが、テクニカルには年初来高値160.462円となります。まずは、停戦が延長されるかどうかを見極めたいところです。延長されるなら、リスクオフの巻き返しが続くというのがメインシナリオです。ただ、株式市場を中心にすでに先取りしている面もあるため、万が一、停戦終了から攻撃再開となった場合のリスクオフの動きには注意が必要です。このリスクシナリオは世界経済のためにも避けてほしいものです。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:マネックストレーダーFX
【日足チャートの見方】
短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。
※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。

ユーロ/米ドル:移動平均2週連続上抜けで、上昇トレンド確定

ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。

週足チャート(図表3)では、ユーロ/米ドルは2週連続で移動平均線を上抜けたことで、上昇トレンドが確定しました。ただ現時点では移動平均線がほぼ平らなため、いつ方向転換してもおかしくないというスタンスでいたほうがよいでしょう。また各種トレンドラインが増えてきたため、今回はシンプルに拡散型ウェッジのみを引くことにしました。これはもみ合いの中でも振れが大きく難しいパターンです。油断しないためにも、このパターンをベースに考えていくこととします。

【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=上昇トレンド確定も、拡散型もみあい
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表4)では、ユーロ/米ドルは拡散型ウェッジの中で短期的には緑の平行上昇チャンネルの中での動きと考えました。ただ、年初来高値と年初来安値との61.8%戻しとなる1.18242ドルに到達したため、目先は調整で反落しやすい水準にあると言えます。2本の移動平均線は4月1日のゴールデン・クロス状態が続いています。ただ4月17日以降、特に週明け4月20日早朝の下げもあり、デッド・クロスに転換する可能性が高そうにみえます。今週(4月20日週)は緑の上昇チャンネル下限をサポートに、フィボナッチ・リトレースメント61.8%をレジスタンスとする流れをみておきます。

【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド=4月1日のゴールデン・クロスが継続、デッド・クロス転換に注意
出所:マネックストレーダーFX

ユーロ/円:上昇トレンド継続も、史上最高値更新後の調整局面入り

ユーロ/円(図表5)は上昇トレンドを継続しています。ただ、先週(4月13日週)の史上最高値更新による達成感もあり、いったん調整局面入りとなっています。ユーロ/円のラインもシンプルに、2025年安値からのサポートラインと、それと平行に2025年高値に合わせた平行上昇チャンネル、そしてそのチャンネルの中間ライン(点線)のみの表示としました。現在はサポートラインと中間ラインとの下半分の間での値動きとなります。

【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=上昇トレンド継続
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表6)では、週足チャートのチャンネルがかなり広く感じられますが、明確なラインが引けるまではシンプルなままにしておきたいと思います。2本の移動平均線はユーロ/米ドル同様に、4月1日のゴールデン・クロス状態が続いています。ただ4月17日の陰線の影響もあり、早ければ本日4月20日終値でデッド・クロスに転じる可能性が高まっています。

今週も良いトレードを!

【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=4月1日のゴールデン・クロス状態が続く、デッド・クロス転換に注意
出所:マネックストレーダーFX