高市総理も反対せず?=外部環境も日銀利上げ後押しか
日銀が6月中旬に予定されている金融政策決定会合で、追加利上げを決めるとの見方が強まっている。来日して5月12日に高市総理と会談したベッセント米財務長官からも強い要請があり、それを受け、植田日銀総裁と会談した際に、高市総理も6月利上げに反対しない立場を示したとの見方もある。
こうした中で、外部環境も、日銀による6月利上げの判断を後押しする状況になってきたようだ。日銀会合の数日前に開かれる予定のECB(欧州中央銀行)理事会で利上げが決定される可能性が高まってきた。そうなると、主要国の中央銀行の中で利上げに動くのが日銀だけではなくなるため、日銀利上げへの反対論が弱まる形で作用する可能性がある。
円安是正でも重要条件=利上げに合わせ為替介入の可能性も
このような日銀利上げは、4月末から円安阻止のための為替介入を再開したとみられている日本の通貨当局も、円安の阻止と円高への反転を目指す上で重要な条件の1つと位置づけているようだ。その意味では、日銀の6月利上げ決定を見極めながら、米ドル売り・円買いの為替市場への介入を行い、円安是正を加速させるという可能性もあるかもしれない。
日銀の6月金融政策決定会合は16日に結果を発表する予定となっている。これは6月15~17日に予定されている仏エビアン・サミット(先進国首脳会議)の日程と重なる。為替介入の実質的な責任者である財務省の財務官は、首脳代理であるフィナンシャル・シェルパも担当するため、サミットに同行するのが普通だが、今回は東京にとどまるとの見方もある。そうであれば、それは当局が日銀の6月利上げを、円安是正戦略の重要なタイミングの1つとして位置づけている可能性がある。
利上げ見送りなら円、債券、株「トリプル暴落」?=「トラス・ショック」再来も
このように円安阻止・是正策の観点からも注目されている日銀の6月利上げだけに、逆に見送りとなった場合の反動リスクも警戒されている。円安、債券安に加えて、ここまで続いている株高も株安に反転し、円、債券、株の「トリプル安」を招きかねない懸念も残っている。
2025年10月の高市政権誕生以来、財政規律への懸念が「トリプル暴落」をもたらした英国の「トラス・ショック」再来への懸念がくすぶっているが、いよいよそれが現実になるのかという観点でも、日銀6月利上げの有無は重要な影響をもたらす可能性がありそうだ。
