現在のファンダメンタルズ:米国とイランの交渉期待でリスクオフの巻き返し

先週(4月6日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円:  157.887円~160.029円   159.291円
・ユーロ/米ドル:1.15044ドル~1.17388ドル 1.17297ドル
・ユーロ/円:  183.649円~186.879円   186.848円

先週(4月6日週)の米ドル/円:リスクオフ巻き返し後に緩やかなリスクオフ

先週(4月6日週)の米ドル/円は、週初、トランプ米大統領の演説で新たな展開があるかもしれないという様子見で始まりました。ただ、交渉期限(日本時間4月8日9時)が強調されるだけで、4月8日9時までは状況を見守る流れが続きました。しかし4月7日NYの引け間際にパキスタン首相がホルムズ海峡の2週間解放を条件に停戦交渉を提案したことで流れが変わりました。

4月7日の引け後、トランプ米大統領もパキスタンの提案を受け入れると発表。2週間の停戦とパキスタンでの両国の協議に向けて急速にリスクオフの巻き返しが進みました。4月8日NY市場の朝方には一時157.887円の週間安値をつけました。ところが、イスラエルによるヒズボラへの攻撃は継続し、イランは湾岸諸国への報復攻撃に踏み切るなど、週末の協議を前に先行きに暗雲が立ち込めました。週末に向けて、緩やかなリスクオフ相場再開となりました。

その後、トランプ米大統領が協議を前にイスラエルに攻撃自粛を要請し、週末の協議への期待も高まりました。しかし両国の合意に向けた隔たりは大きく、4月11日の米国とイランの協議は決裂し、バンス米副大統領は帰国することとなりました。

引き続き停戦自体は有効で、米国とイラン間の協議は継続ということになっています。ただ、今後の情勢は不透明です。週明け早朝の各市場はリスクオフ再開の動きから、原油高・株安・米ドル高の動きで始まっています。協議決裂を受け、トランプ米大統領はイランへの限定攻撃にも言及しています。停戦期間中ではあるものの、悪化必至のイラン情勢を見極めながらのトレードとなります。

なお、米ドル/円は介入警戒感もあり、週明け早朝の為替相場では、米ドル/円以外での米ドル買いが強い地合いとなっています。

先週(4月6日週)のユーロ/米ドル:対ドルは米ドル/円同様、ユーロ円は高値更新

先週(4月6日週)のユーロ/米ドルは、米ドルの動きとしては米ドル/円と同様でした。一方で、ECB(欧州中央銀行)の早期利上げ観測もあり、米ドル/円は介入警戒感から円売りが進みにくい状況でした。そのため、ユーロ/円は「介入がない」との見方も支えとなり、週を通してじり高の流れとなりました。ユーロ/円は4月10日に史上最高値をわずかに更新し186.879円をつけ、終値としても186.848円と高値を更新しました。

こうした動きの反動もあり、週明けのリスクオフ再開の流れから、米ドル/円以上にユーロ/米ドルでの米ドル買いの動きが強まり、結果としてユーロ/円はギャップダウンで始まりました。米ドル/円で介入が出るまでは、ユーロ/円の押し目買いは続きやすい状況です。

米ドル/円チャート(週足)、移動平均線は上昇トレンドも160~160.462円の間は黄信号

長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。

週足チャート(図表1)では、米ドルの上昇トレンドが継続中です。ただ、160円の大台(赤の水平線)と、三村財務官の「断固たる措置」発言があった年初来高値(160.462円)の間は黄信号で、さらに円安が進み、この水準を上回ると赤信号というイメージです。当面はリスクオフ再開の影響から米ドル高値圏でのもみあいが続きやすいのですが、4月は日銀会合もあり、水準次第では利上げと介入が同時に行われる可能性もありそうです。

【図表1】米ドル/円(週足)
出所:マネックストレーダーFX
【週足チャートの見方】
長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。

米ドル/円チャート(日足)、4月6日にゴールデン・クロス発生

短期的な判断は日足で行います。

米ドル/円は4月6日にゴールデン・クロスが発生しました。その後は2本の移動平均線の距離も狭くほぼ横方向の動きとなりました。今週(4月13日週)週明けのリスクオフ再開の動きから、改めて米ドル買いが強まりやすい流れとなってきました。ただ、米ドル/円は週足の項に書いたとおり、160円の大台よりも円安、特に年初来高値160.462円を超えると介入警戒感がかなり強まるため、欧州通貨に比べると米ドル買いの勢いが強まりにくい水準です。

一方で、多くの市場参加者が同じような見方をしているため、実需筋の米ドル買いが遅れているとも言えます。今後160.462円を試すような流れが出てくる際にはストップも巻き込んで、一時的に円安に振れるリスクも高まっています。ただ、そこで介入が入る可能性も高いと考えると、米ドルは買いにくい一方で売りにくい状況になりやすく、結局は米ドル高値圏でのもみあいが続くでしょう。

いずれにしても、米国とイランとの情勢次第という流れは今週(4月13日週)も続きます。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:マネックストレーダーFX
【日足チャートの見方】
短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。
※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。

ユーロ/米ドルは移動平均上抜け1週目も今週は続かないか

ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。

週足チャート(図表3)では、ユーロ/米ドルは下降トレンド継続中ですが、先週(4月6日週)はユーロ/米ドルが強かったこともあり、移動平均線を上抜けて引けた1週目となります。ただ、週明けのリスクオフ再開でユーロ売り・米ドル買いの動きとなっていることから、2週連続での上抜けはなさそうな感じもします。長期的にはますます横方向のもみあいという流れになってきました。

【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=横方向のもみあいで調整局面が続きやすいか
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表4)では、ユーロ/米ドルは目先の安値をつけた後の反発局面にあると考えられます。平行チャンネルでは赤の下降チャンネルを上抜け、緑のトライアングル(三角もちあい)も上抜け、現状は緑の平行上昇チャンネル内での動きとなっています。ただ長期的にはまだ下降トレンドが続いていること、1月高値と3月安値の半値戻しと緑のチャンネル上限が一致していることから目先はいったん反落をみやすいという状況です。2本の移動平均線は4月1日のゴールデン・クロスが続いていますので下げ局面に戻すにはデッド・クロスに転じる必要があります。

【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 目先、いったん反落となるか
出所:マネックストレーダーFX

ユーロ/円は上昇トレンドを継続し史上最高値更新

ユーロ/円(図表5)は上昇トレンドを継続しています。ただ、黄色の平行上昇チャンネルは下抜けたり戻したりとなっているので、短期的に緑の上昇チャンネルも引きました。こちらで見ると短期的にはそろそろいいところという水準ですが、史上最高値更新で押し目買いも根強いでしょうから現状では改めて黄色のラインもサポートとなりやすいとみてよいでしょう。185円はあっさりと上抜けてきたため、テクニカルには次の節目となる190円を視野に入れる参加者が増えつつある流れです。

【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=上昇トレンド継続、次の節目は190円に
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表6)では改めて大きく上昇してきた動きが見て取れます。米ドル/円と異なりユーロ/円では介入が出ないという安心感が、ユーロ/円をはじめとする欧州通貨でのクロス円での買いを強めています。2本の移動平均線は4月1日のゴールデン・クロス状態が続いていますので、売りたい向きは次のデッド・クロスを待ったほうが良いと思います。

今週も良いトレードを!

【図表6】ユーロ/円(日足)改めて大きく上昇
出所:マネックストレーダーFX