モトリーフール米国本社– 2026年4月7日 投稿記事より
2026年の株式市場は、年初から厳しいスタートとなりました。一部回復していますが、3月下旬にはダウ工業株30種平均およびナスダック総合指数は、直近高値から10%超下落して一時的に「調整局面」となりました。2026年の年初は市場全体が低迷しました。調整局面があることは、市場において自然な現象であり、投資家にとっては割安な価格で株式を購入する機会となるでしょう。
市場の調整局面は、強力なキャッシュフローを有する優良企業の株式を割安なバリュエーションで取得する機会となります。今後さらに市場が下落する場合、投資妙味のある魅力的な金融株としては、バークシャー・ハサウェイ[BRK.B]、プログレッシブ[PGR]およびS&Pグローバル[SPGI]の3社が挙げられます。
バークシャー・ハサウェイ[BRK.B]:巨額の手元資金がもたらす柔軟性
伝説的な投資家であるウォーレン・バフェット氏とチャーリー・マンガー氏は、数十年にわたりバークシャー・ハサウェイを、保険、運輸、消費財、エネルギー分野にまたがる巨大企業へと成長させると同時に、その巨額の株式投資ポートフォリオを運用してきました。2026年は、バフェット氏の引退を受けて、グレッグ・アベル氏が最高経営責任者(CEO)に就任しました。
バークシャーの株価は52週高値から11%下落しており、同社は20263年3月、アベルCEOのもとで自社株買いを再開することを発表し、注目を集めました。同社は2024年5月に自社株の購入を停止していましたが、株価が株価純資産倍率(PBR)1.4倍で取引されている現状を踏まえ、バフェット氏の後押しも受けて、アベルCEOは今こそ自社株買いを再開する良いタイミングであると判断しています。
バークシャーの幅広く分散された事業は、安定的なキャッシュを生み出す基盤を提供しており、これにより、同社は3,730億ドルもの手元資金を積み上げてきました。さらに、バークシャーはエネルギー大手であるシェブロン[CVX]およびオキシデンタル・ペトロリアム[OXY]にも投資しており、イラン情勢が緊迫する中で、これら石油株の上昇余地も享受できる可能性があります。以上の観点からバークシャー・ハサウェイは非常に優れた銘柄であり、今後さらに株価が下落するようであれば、長期投資家にとって魅力的な銘柄と言えるでしょう。
プログレッシブ[PGR]:近年で最も低い株価収益率
プログレッシブは大手自動車保険会社であり、過去数年間で株価はやや低迷しています。2025年初めには1株あたり292ドルまで上昇しましたが、その後33%を超える下落となっています。同社は2023年から2024年にかけて、インフレ圧力の中で保険料が増加したことによって急成長を遂げましたが、足元では保険市場の競争環境が厳しくなっています。こうした環境では、競争の激化に伴い、保険料の伸びが鈍化します。
厳しい市場環境が、長年にわたって優れたパフォーマンスを上げてきたプログレッシブの株価に重くのしかかっています。しかし、2026年2月には、既契約ベースの保険料収入が10%増加、計上純保険料収入も8%増加し、同社は引き続き成長しています。また、同社は引き続き卓越した引受能力を示しており、2026年初2ヶ月間のコンバインド・レシオ(正味損害率と正味事業費率を合計した指標)は85%となっています。
同社は変動型配当を採用しており、業績が好調な年にはかなりの配当額となることもあります。2025年は1株あたり13.50ドルが支払われ、足元の株価に基づく配当利回りは約7%となっています。過去1年間、プログレッシブの投資家にとっては厳しい状況が続いていますが、株価収益率(PER)が10倍という水準にある現在、過去4年間で最も低いPERで投資できる絶好の機会を投資家に提供しています。
S&Pグローバル[SPGI]:ソフトウェア株の売りに巻き込まれる
S&Pグローバルは金融市場における主要なプレーヤーであり、参入障壁の高い業界においてトップクラスの信用格付け機関としての役割を担っています。同社は米国の信用格付け市場において50%のシェアを有しており、これが主力事業となっていますが、企業および政府による債券発行にも依存しています。また、シーエムイー・グループ[CME]との合弁事業であるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスに加え、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスという成長著しいデータ事業も展開しています。
S&Pグローバルは2026年初め、多くのソフトウェア関連銘柄を襲ったセルオフ(売り浴びせ)の波に巻き込まれ、株価が下落しました。投資家の間では、生成人工知能(AI)が「S&P Capital IQ」のような従来型データ端末に取って代わる可能性があるのではないかという懸念もあり、その結果、S&Pグローバルのソフトウェアサービス事業にとって重しとなる可能性が指摘されています。
とは言え、同社は格付けおよび指数(インデックス)事業という強固な競争優位性を有しており、これらはAIディスラプション(AIによる破壊的イノベーション)の影響受けにくいと考えられます。また、同社は53年連続で配当を増額している信頼性の高い配当銘柄でもあります。S&Pグローバル株は現在、PER 29倍、予想PER 22倍で取引されており、過去4年間で最も低い水準に近いものです。市場の暴落を懸念する投資家にとって、S&Pグローバルはいま投資妙味のある銘柄と言えるでしょう。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Courtney Carlsenは、バークシャー・ハサウェイ、シェブロン、オキシデンタル・ペトロリアム、プログレッシブおよびS&Pグローバルの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ、シェブロン、プログレッシブおよびS&Pグローバルの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、CMEグループおよびオキシデンタル・ペトロリアムの株式を推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。
