株式相場は米国株の弱さから大きなドローダウンのリスク高

引き続きイラン情勢の不透明感が相場の重石になるのは間違いないが、上値が重いというよりも、今週から来週にかけて、株式相場で大きなドローダウン(値下がり)のリスクが高いと考えており、注意を喚起したい。

最大の警戒ポイントは米国株の弱さだ。ダウ平均、S&P500、ナスダック総合の主要3指数はいずれも200日移動平均を明確に下回ってきた。とくに、いち早く高値からの下落率が10%を超え「調整局面」入りしたナスダック総合は、25日移動平均が200日移動平均を上から下に抜けるデッドクロスが目前に迫る。米国市場は、もっとも洗練された市場であるが、同時に多様な投資家が集う場所でもあるので、意外にテクニカルな弱気サインに敏感に反応することも多い。ここで一段安となると、相場の底が抜けたような状況になり、押し目買いも入りにくくなる。注意が必要である。

【ナスダック総合株価指数の推移】
出所:Bloomeberg

需給面で相場が荒れやすい中の雇用統計発表、為替相場も波乱材料に

需給面の不安要素もある。今週の金曜日がイースターのグッドフライデーで米国市場は株式・商品の取引が休場、債券は短縮取引となる。イースターの週は週の半ばから休みを取る市場関係者も多く投資家不在で相場が荒れやすい。そうしたなか、グッドフライデーの金曜日に米国の雇用統計が発表される。3月の非農業部門雇用者数は、前月比6万人増と見込まれる。9万2000人減だった2月からは持ち直す予想だ。2月の雇用統計が悪かったのは、天候が影響したと考えられる建設業やレジャー・ホスピタリティー関連の雇用減少が主な理由だが、万が一、3月も回復しないとなると市場のショックは大きなものになるだろう。

さらにイースター週のタイミングに日本の期末・期初が重なる。年度末・年度初めの需給の特殊要因でこの時期の日本株も値動きが荒くなる。例えば例年4月1日は国内機関投資家の「期初の益出し売り」に押されて地合いが悪化しやすい傾向がある。

為替相場も波乱材料になるかもしれない。ドル円相場は先週27日に一時1ドル=160円台前半と、約1年8ヶ月ぶりの円安・ドル高水準をつけた。介入警戒感も高まっている。

『ブラックスワン』へのリスクヘッジトレード増もあるだろう

最大のリスクであり不透明材料はトランプ米大統領だろう。日経新聞に「トランプ米大統領こそ『ブラックスワン』」という記事があったが、まさにその通りだ。ブラックスワンは予測不能だからブラックスワンなのだが、不測の事態に備えるリスクヘッジのトレードが増加するのではないか。イランの発電所への軍事攻撃を4月6日まで停止するというのは、つまりイースター・マンデーまでということだ。イースター明けには攻撃があり得る。そう考えればイースター休暇に入る前にポジションをヘッジしておこうと思うのが普通だろう。

とにかく、期初期末にあたる今週から、軍事攻撃停止期間明けとなる来週にかけて、大きなドローダウンを警戒するべきである。

予想レンジは4万9000円-5万3000円とする。5万円割れもあり得ると見ておきたい。