東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場では主要3指数が揃って続落となった流れを引き継ぎ、日経平均は214円安の50,312円で寄付きました。序盤は弱含み、下げ幅を拡大すると9時19分に50,198円まで下げ、本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、前場中ごろから後半にかけては50,350円程から50,480円程のレンジで推移し、61円安の50,465円で前引けとなりました。

後場は一進一退での推移となりました。一時上昇に転じる場面がみられるも、上値は重く、後半は徐々に下げ幅を拡大した日経平均は187円安の50,339円で続落となりました。2024年末比では、26.2%高で年末ベースでは最高値を更新しました。

TOPIXは17ポイント安の3,408ポイントで4日ぶりに反落、新興市場では東証グロース250指数が7ポイント安の675ポイントで6日ぶりに反落となりました。

2.個別銘柄等

住友金属鉱山(5713)は4.8%安の6,357円をつけ3日ぶりに反落となりました。29日の海外市場では、銀など貴金属の先物価格が大幅に下落したことで、貴金属を扱う同社に売りが出ました。なお、前日には株式併合考慮後の上場来高値(6,761円)を付けていたこともあり、利益確定やリスク回避を目的とした売りが優勢となりました。

東京電力ホールディングス(9501)は1.1%高の657.3円をつけ反発となりました。2026年1月20日に柏崎刈羽原子力発電所6号機を再稼働する方針を発表し、これによる収益改善を見込んだ買いが入りました。原発1基が稼働すれば年間で約1000億円の収益が改善すると見込まれています。

養命酒製造(2540)は一時ストップ高水準となる14.6%高の5,500円をつけ年初来高値を更新しました。29日、ブルームバーグ通信が同社の「非公開化に向けた入札で、米投資会社のKKRが優先交渉権を得た」と報じ、買収価格へのプレミアムを期待した買いが殺到しました。買収価格などの条件を詰め、2026年1月にもTOB(株式公開買い付け)を実施する方向で調整しているとされています。

粘着関連製品を手掛けるリンテック(7966)は1.4%高の4,420円をつけ続伸となりました。29日、国内証券が同社の目標株価を従来の4,150円から足元の水準を上回る4,950円に引き上げたことが材料視されました。アナリストは半導体チップの製造工程で使う特殊粘着テープや有機ELディスプレー関連向け製品などが伸びるとみています。

ドラッグストアチェーンのGenky DrugStores(9267)は1.6%安の4,960円をつけ3日ぶりに反落となりました。29日に発表した12月の既存店売上高(速報値)は前年同月比3.3%増と11月の2.2%増から伸びが拡大となるも、サプライズとはならず、一部では医薬品の苦戦を指摘する声もあり、軟調な推移となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は0.4%安の50,339円と節目の5万円台を維持して2025年の取引を終えました。10月末につけた最高値からは4%強下落も、年間では26.2%高となりました。

年末年始の休暇を挟み、1月5日(月)から日本市場は再開となります。2026年の初週は、早速主力銘柄の決算発表が予定されており、具体的にはセブン&アイ・ホールディングス(3382)とイオン(8267)が8日、安川電機(6506)が9日を予定しています。また、9日夜間には12月分の米雇用統計が発表予定です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)