東京市場まとめ

1.概況

日経平均は59円安の50,691円で、反落して寄付きました。先週末の米国市場で主要3指数が揃って下落した流れを受け、日本市場でも売りが優勢のスタートとなりました。

寄付き直後に下げ幅を広げ、50,347円まで下落したものの、その後は銀行株などに押し目買いが入ったことで下げ止まり、前場は200円安の50,550円で取引を終えました。

後場は260円安で始まり、一時は65円安の50,685円まで下げ幅を縮めましたが中盤から再び売りが優勢となった日経平均は、最終的に223円安の50,526円と、3日ぶりに反落して取引を終えました。

TOPIXは3ポイント高の3,426ポイントと続伸しました。また、新興市場の東証グロース250指数は4ポイント高の682ポイントで、5日続伸となりました。

2.個別銘柄等

フジクラ(5803)は3.8%高の17,805円をつけ、3日ぶりに反発しました。26日、国内証券が『2026年も光配線材需要は高い伸びが続く』との見通しを示したことが材料視され、電線セクターに買いが集まりました。同様に住友電気工業(5802)も1.3%高となるなど、堅調な推移が目立ちました。

J.フロント リテイリング(3086)は1.1%安の2,210円をつけ、続落となりました。26日に発表した2026年2月期・第3四半期決算において、前年同期に計上した株式の段階取得に関する差益の反動減といった特殊要因に加え、売上高の伸び悩みも意識され、純利益が前年同期比33.4%減の246億円となったことが嫌気されました。

ホームセンター大手のDCMホールディングス(3050)は一時6.5%高の1,717円をつけ、上場来高値を更新しました。26日に発表した第3四半期決算では純利益が前年同期並みの153億円に留まったものの、あわせて発表した発行済み株式総数の2.15%を上限とする、最大55億円の自社株買いが評価され、積極的な株主還元を好感する買いが入りました。

富士電機(6504)は2.1%高の11,955円の高値引けとなりました。27日、外資系証券が同社の目標株価を従来の1万1200円から1万3800円へ大幅に引き上げたことが買い材料となりました。投資判断は3段階で最上位の「バイ(買い)」が継続されています。

ERIホールディングス(6083)は2.2%安の4,850円をつけ、3日ぶりに反落しました。26日に発表した2026年5月期の中間決算では、純利益が前年同期比3.7倍の12億円と大幅増益を達成しました。しかし、株価は決算発表を前に期待感で上昇していたこともあり、発表を受けて「材料出尽くし」と捉えた利益確定売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

週明けの日経平均は0.4%安で取引を終えました。年末年始の長期連休を控え、個人投資家や国内機関投資家を中心に、リスクポジションを縮小させる動き(キャッシュ化)が出たようです。

一方で、TOPIXは堅調で、日本株の全体的な地合いは決して弱くありません。いよいよ明日は「大納会」で、2025年最後の取引となります。日経平均が節目の5万円をしっかりと維持して2025年を締めくくれるか、大台死守に向けた攻防が注目されるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)