リビジョンインデックスの概要と足元の全体感

・リビジョンインデックスは、アナリストの業績予想における上方修正と下方修正の比率で構成され、ゼロより上が上方修正優勢、下が下方修正優勢を示す。

・累積グラフでは上向きが上方修正優勢、下向きが下方修正優勢を示し、足元はやや上向きで全体として上方修正が増えている。

・ただし同指標は現況把握には有用だが、株価反応に対しては遅れやすいという課題がある。

リビジョンウォッチの構造と示唆、株価にとってポジティブなタイミング

・横軸はリビジョン「水準」(直近3週間平均、0より右が上方修正優勢)、縦軸は「変化」(前回比改善がプラス)で、プロットは時計回りに循環し、縦が先行してプラス転化し、その後に横が右へ進む右肩上がりが良好局面となる。

・2025年度前半は関税等の影響で左下の悪化局面に入ったが、4~5月の本決算後の保守的予想を経て改善に転じ、その後直近2ヶ月は一時悪化した。

・足元では下方修正比率が減少し、上方修正比率が再びプラス圏へ。業績予想モメンタムの改善が示唆され、株価にとってポジティブなタイミングとなっている。

業種別の示唆と来期(2027年3月期)に向けた物色の方向性

・電機(ハイテク):「水準」はプラス圏にあるが、「変化」が鈍化し情報修正の勢いが低下。足元の相対的な弱含みが示唆される。

・輸送用機器(自動車等):「水準」はマイナス圏だが「変化」が大きくプラスへ跳ね、下方修正の減少が進行。2025年は日経平均ベースEPSで約2.9%の減益要因となったが、米国の関税対応等で悪化した収益の反動で来期の回復が見込まれる。

・鉄鋼・サービス:鉄鋼は2025年厳しかったが来期の回復期待が台頭。サービス(情報通信・ソフトウェア含む)は右上がりで力強く、AI関連の寄与がうかがえる。第3四半期入りで市場の視点が2027年3月期へ移る局面と重なっている。