11月相場入りと日経平均の急落
日経平均は10月の1ヶ月間で7,478円も上昇し、史上初となる52,000円に乗せて取引を終えました。しかし11月に入り、11月4日の東京株式市場は1日で914円下落するなど、上昇相場の反動が出ています。短期のトレンドを示す5日移動平均線上を維持しており、上昇トレンドに変化はなさそうです。ただし注意点があります。それは、今後も5日移動平均線上を維持できるかどうかです。
10月相場に入り、10月3日に5日移動平均線を終値で上回ったあと、5日移動平均線を終値で下回った日数は、取引日数20日のうち、たった4日しかありませんでした。また、11月4日の大幅下落でも5日移動平均線上を維持しているため、上昇トレンドに変化はないと考えられるわけです。
ただ、5日移動平均線を割り込んで戻せなくなってしまうようなら、5日移動平均線が下向きに変化するとともに、上値の抵抗になることが考えられます。そうなれば、25日移動平均線辺りまでの下落が視野に入るため、押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行う必要が出てくると考えられるのです。
モメンタムの急低下が示す意味とは?
上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、急角度で低下しているのが分かります。この急低下は何を示しているのでしょうか。
モメンタムとシグナルの両方が急低下しているのは、上昇の勢いが急速に鈍っていることを示しています。そのため、これまでのようなスピードで上昇を維持することができないと考えられるのです。
また、この低下が今後も続き、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインに接近したり、下回ったりするようなら、25日移動平均線辺りまで下落したり、割り込んだりすることが視野に入ります。買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。
そのため、今後もモメンタムの低下が続くような場合、株価が5日移動平均線を割り込むとともに、これまでの上昇の反動がでて下落が続くことが予想されます。押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行う必要があります。
