円安の主因が「金利差」から「日本の長期金利(債券売り・円売り)」へ移行している
・2025年4月以降、日米金利差は縮小傾向であるにもかかわらず、米ドル高・円安が進行した。
・以前は「金利上昇=円高」であったが、2025年4月以降日本の長期金利上昇と米ドル高・円安が連動し、「金利上昇=円安」となった。
・これにより、高市円安は従来の「金利差拡大による米ドル高」ではなく、「債券売り・円売り」が主因で進んだと整理できる。
政治イベントを受けた財政期待の後退で日本の長期金利が一服し、円安トレンドに転換サイン
・10月上旬の自民党と公明党の連立構図の変化で過半数回復の見通しが後退し、財源が曖昧なままの財政拡張観測が弱まった。
・自民党と維新の合意文書で消費税減税は「法制化の検討」と表現され、実現度合が後退したため、減税を起点とする財政・金利上振れリスクが後退した。
・日本の長期金利は10月10日前後をピークに一段落し、直近の米ドル高・円安は金利の動きと乖離が目立ち始め、円安一巡の可能性が高まっている。
テクニカル分析と政策が示す短期反転余地:52週線と中央銀行の利上げ観測
・米ドル/円は52週移動平均線(約149円)を上抜けてから約1ヶ月経過しており、経験則上は同線を再び下回る局面が生じやすい。
・米ドル/円は10月初旬の上抜け後に153円近辺まで上昇したが、同線回帰が実現すれば、円高方向への短期調整が入りやすい。
・高市新総理の所信表明演説では日銀の金融政策への言及がなく、早期利上げ容認のシグナルとなる可能性があるため、直近の日銀政策決定会合が相場の転機となる余地がある。
