【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 46,190.61  △238.37 (10/17)
NASDAQ: 22,679.98  △117.44 (10/17)

1.概況

17日の米国株式市場は主要3指数がそろって反発しました。
トランプ米大統領が米中貿易交渉について「協議は順調に進展している」と発言したことで、前日に強まっていた政策・地政学面の不安がいったん和らぎました。週初から続いていた神経質な値動きはいったん小休止し、前日に売られていた地銀株を中心に買い戻しが優勢となりました。

S&P500株価指数は34.94ポイント高の6,664.01、ダウ平均は238.37ドル高の46,190.61、ナスダック総合は117.43ポイント高の22,679.97と、いずれも0.5%程度の上昇となりました。トランプ氏が中国への追加関税について「持続可能ではない」と発言したことも、景気の過度な下押し懸念を後退させた要因となりました。

2.経済指標等

政府機関閉鎖の影響で主要経済統計の公表が延期される中、州別調整前データの集計によれば、新規失業保険申請件数は前週から減少したもようです。
金融政策面では、セントルイス連銀のムサレム総裁が「労働市場の減速を背景に追加利下げを支持し得る」と述べました。一方でモルガン・スタンレーは、FRBが10月会合で0.25%の追加利下げを実施すると予想しています。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が上昇しました。生活必需品が最も上昇し、また前日に急落した地銀を含む金融業が反発しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス[AXP]が第3四半期決算で利益が予想を上回ったほか、新たに投入したプラチナカードの需要が強いと指摘したことで7.27%高となり、1銘柄でダウ平均を144ドル余り押し上げました。アップル[AAPL]は自動車レース「F1」の国内中継を2026年から5年間独占配信する契約をアップルTVで締結したと発表し、1%超上昇しました。ビザ[V]、アイビーエム[IBM]なども1%台の上昇となりました。

一方、キャタピラー[CAT]が2.57%安となり、セールスフォース[CRM]も1.19%下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、地方銀行株の戻りが目立ち、前日に不良債権問題を背景に急落していたザイオンズ・バンコープ[ZION]が5.84%高と反発しました。製薬のイーライ・リリー[LLY]は、トランプ大統領が肥満治療薬の価格が「大幅に下がる可能性がある」と述べたことを受けて収益減懸念が広がり2.02%下落しました。ソフトウエアのオラクル[ORCL]は長期見通しが楽観的すぎるとのアナリスト指摘が嫌気され6.93%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日比0.03%高い4.01%となりました。ドル円は150円台半ばまでの円安水準に戻しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米株の反発やドル円相場の落ち着きは、投資家心理を安定させる材料となるでしょう。これを受け、東京市場も戻りを試す展開が期待されます。日中は国内政治の動向も相場のカギとなりますが、先週から値幅の大きい展開が続いてきただけに、今週は落ち着きを探る局面となりそうです。

(マネックス証券 インベストメント・ストラテジーズ 塚本 憲弘)