【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 45,952.24 ▼301.07 (10/16)
NASDAQ: 22,562.54 ▼107.54 (10/16)
1.概況
前日の米国市場は主要3指数が揃って下落しました。地銀の融資を巡る報道から、銀行業界の健全性を巡る懸念が生じ、金融株全般が売られたことが相場の重荷となりました。また、米中貿易の対立が引き続き緊張感のある状況にあることも、売りが優勢となった要因です。
ダウ平均は35ドル高の46,289ドルと小幅高で取引を開始しました。取引開始後は堅調な推移となるも、銀行業界の健全性を巡る懸念から、中ごろには一転し軟調な展開となりました。徐々に下げ幅を広げたダウ平均は終盤に472ドル安の45,781ドルをつけ、安値を更新し、最終的には301ドル安の45,952ドルで取引を終えました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は107ポイント安の22,562ポイントで反落となりました。またS&P500株価指数も41ポイント安の6,629ポイントで同じく反落して取引を終えました。
2.経済指標等
10月のフィラデルフィア連銀景況指数は-12.8と市場予想の8.0を大幅に下回る結果となりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち情報技術の1業種のみが小幅に上昇しました。10業種が下落し、中でも金融が2.8%安と大きく下げたほか、エネルギーと公益事業が1%台の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中8銘柄が上昇しました。セールスフォース[CRM]が先行きにおいて2桁台の成長見通しを示したことで、4.0%高となり、構成銘柄中の上昇率トップとなりました。プロクター・アンド・ギャンブル[PG]やキャタピラー[CAT]、エヌビディア[NVDA]が1%台の上昇となりました。一方で22銘柄が下落しており、ビザ[V]とトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]が3%近い下落となったほか、ジェーピー・モルガン・チェース[JPM]やアメリカン・エキスプレス[AXP]などが2%台の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、ソフトウェアのオラクル[ORCL]が投資家向け説明会の中で利益率について強気の見通しを示したことが好感され、3.1%高となりました。地銀のザイオンズ・バンコープ[ZION]は完全子会社が引き受けた融資において、5,000万ドルの貸倒償却を計上したと発表し、13.1%安となりました。同じく地銀のウェスタン・アライアンス・バンコープ[WAL]も融資を巡る懸念が生じたことで10.8%安となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日比0.06%低い3.97%となりました。17日朝のドル円は150円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
前日の米国市場は地銀の融資を巡る懸念から金融株が下落したことをきっかけに、主要3指数は下落となりました。これを受けて、本日の日本市場も売りが優勢でのスタートが見込まれます。またドル円が150円台前半と、小幅ながら円高に推移しており、この点も輸出関連銘柄には重荷となるでしょう。自民党と日本維新の会の連立に進展がみられるなど国内政治関連のニュースが伝わった際には株価はポジティブな反応になると考えられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
