東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場で、ハイテク株高の流れを引き継ぎ、日経平均は336円高の48,281円と続伸で寄付きました。前の日に高市自民党新総裁への期待感から最高値を更新する中で、本日も買いが優勢でのスタートとなり、寄付き直後の9時9分に582円高の48,527円を付け本日の高値を更新しました。その後は伸び悩み、上げ幅を縮小する展開となった日経平均は、320円高の48,264円で前引けとなりました。
後場も上げ幅を縮小しての推移となりました。週明けから急ピッチで上昇した背景もあり、利益確定の売りが出たことで大引け間際に一時下げに転じるも、最終的には6円高の47,950円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が3日続伸、0.1%高で取引を終えました。
2.個別銘柄等
フジクラ(5803)は一時、10.4%高の16,015円をつけ上場来高値を更新しました。自民党総裁に就任した高市早苗前経済安全保障相は、核融合炉の早期実装を目指しており、同社を核融合炉向けの高温超電導線材を手掛ける関連銘柄と位置づけた買いが入りました。
第一三共(4568)は2.5%高の4,001円をつけ大幅続伸となりました。6日に有効な治療法が少ないとされる「トリプルネガティブ乳がん」を対象とした同社抗がん剤「ダトポタマブ デルクステカン」の臨床試験(治験)結果を公表し、最終段階にあたる治験の主要評価項目で「統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した」との発表を好感した買いが入りました。
三井不動産(8801)は一時3.2%高の1,717円をつけ株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。金融緩和を志向するとされる高市自民党新総裁の就任により、金利上昇鈍化の思惑によるローン負担軽減や、インフレ進行による不動産価格の上昇などへの期待から買いが入ったほか、外資系証券が同社を推奨銘柄としたことが買い材料となりました。
メガネチェーンの「Zoff」を運営するインターメスティック(262A)は7.1%安の2,416円をつけ大幅続落となりました。6日に発表した9月の国内月次売上高は前年同月比で8.2%増となるも、7月の同29.4%増から2ヶ月連続で伸びが鈍化していることからこれを懸念する利益確定の売りが出ました。
創薬ベンチャーのメディネット(2370)は11.4%高の39円をつけ大幅続伸となりました。6日、坂口志文・大阪大学特任教授のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、同氏が発見した「制御性T細胞」の関連とされる同社株に思惑的な買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は終盤に伸び悩んで小幅高となり、節目の48,000円は割り込むも、連日で最高値を更新しています。明日の材料には、米国の中銀関係者の発言があげられます。米アトランタとミネアポリス両連銀の総裁に発言の場があるほか、新任のミランFRB理事も討論会に参加する予定です。
政府機関の一部閉鎖により、雇用統計など金融政策の判断材料となる経済指標が公表されていない中で、彼らがどういった見通しを示すかに注目です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
