ネガティブな材料を株式市場はどう判断するか
日経平均株価は9月30日終値時点では、配当落ち後に配当落ち分を埋めることができず、3日続落となりました。また、この下落によって短期のトレンドを示す5日移動平均線を下回るとともに、5日移動平均線も下向きに変化しており、下降トレンドが発生していると考えられます。
米国のつなぎ予算が延長できずに政府機関が一部閉鎖されることとなりましたが、投資家はどのように判断するのかが注目されます。現状のトレンドは前述の通り、短期的な下降トレンドが発生しているため、ネガティブな材料が出た場合、下降トレンドの継続が考えられます。
ただ、市場が現状を深刻に受け止めているかどうかは、どこで判断すればよいのでしょうか。私は、深刻さの度合いは、日経平均が上向きの25日移動平均線を下回るかどうかにかかっているのではないかと考えています。
25日移動平均線は2025年4月以降のサポートライン
25日移動平均線が深刻度合いをはかるカギとなる理由は、2025年4月以降の株価を見ると、これまで悪材料が出ても上向きの25日移動平均線上で下げ止まった後に反発しており、25日移動平均線がいわゆるサポートになっていると考えられるからです。
そのため、米政府機関が一部閉鎖した際に株価が25日移動平均線を下回って戻せなくなると、下向きの5日移動平均線の下落が続くとともに25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生することも視野に入るため、調整が長引くのではないかと思われます。
一方で、25日移動平均線上で下げ止まって、これまでと同様に反発して5日移動平均線を上回って維持した場合、一過性の下落で終わることが期待されます。
0ラインを割り込むかが深刻度合いをはかるカギ
では、モメンタムではどのように表れるのでしょうか。上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回るかどうかが深刻度合いをはかるカギになると考えられます。したがって、仮に0ラインを割り込んで戻せなくなるようですと、下落の勢いが強まって25日移動平均線を割り込むことが考えられ、押し目買いは控える必要があります。
一方、モメンタムとシグナルの両方が0ラインを割り込んでも限定的だったり、上向きに変化して上昇したりするようですと、25日移動平均線上で維持して5日移動平均線を上回ることが視野に入ってくると思われます。
今回は米政府機関の一部閉鎖を例に分析しましたが、そのほかの材料でも同様の判断ができると思われます。ネガティブ材料が発生しそうになったとき、移動平均線やモメンタムの水準をチェックし、市場がどう判断しているかを探るとともに、自身の売買判断にも役立てたいところです。
