市場の反応が予想できない「中銀ウイーク」
今週は日米の中央銀行が金融政策を議論する「中銀ウイーク」。16~17日に米連邦準備制度理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)、続いて18~19日には日銀の金融政策決定会合がある。FOMCでは利下げがほぼ確実視され、一方の日銀会合では金融政策の現状維持が見込まれている。今回の両会合は想定通りになるだろう。問題は、市場予想通りになった場合の、市場の反応が予想できないことだ。
今回の結果が織り込み済みなら、市場はそれには反応しない。市場が反応するのは、この先の方向性に関する示唆だ。FOMCメンバーによる経済見通し(SEP)がどうなるか。前回よりはハト派に修正されるだろうが、その程度がわからない。パウエルFRB 議長が会見で、今後の利下げ継続を明確には示唆しないという可能性も十分にある。というか、僕はそれがメインシナリオだと思うが、それが市場の失望につながるかどうかは、予見できない。
また、FRBの利下げを織り込む動きは株式市場でも債券市場でも相当程度進んできた。いったん材料出尽くしになる相場展開も意識されている。
本日発表される米国の小売売上高も要注目
今夜発表される米国の小売売上高も要注目だ。堅調予想だが前回からは鈍化する見通しだ。これも市場がどのように解釈するか、その時になってみないとわからない。
いろいろ波乱の芽があるので警戒して臨みたい。
国内では引き続き自民党総裁選を意識した流れが継続するだろう。しかし、「財政拡張期待」「日銀の利上げ後退」というのは、高市氏勝利を織り込んだシナリオだが、その確度がはっきりしない中では、もはや「買うための口実」に過ぎない。相場とは往々にしてそのようなものだが、急な潮目の変化には気をつけたい。
予想レンジは4万3500~5500円とする。
