東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場は主要3指数が揃って最高値を更新した流れを引き継ぎ、日経平均は53円高の43,513円で寄付きました。来週9月16~17日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げがほぼ確実視されたことが、株式への買い安心感につながりました。堅調な推移となった日経平均は、前場中ごろには利益確定の売りから伸び悩むも、225円高の43,684円で前引けとなりました。

後場も総じて堅調な推移となりました。一進一退ながらも、徐々に上げ幅を拡大した日経平均は14時30分に389円高の43,848円を付け本日の高値を更新しました。その後も高値圏での推移となった日経平均は、最終的に378円高の43,837円で終値ベースの最高値を更新し大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が反発、0.1%高で取引を終えました。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)は7.3%高の16,280円をつけ大幅反発となりました。米オラクル[ORCL]が発表した2025年6~8月期決算で、受注残が急増し、クラウド・コンピューティング需要が拡大する見通しが示されました。オラクルは同社とともに米国のAIインフラに巨額を投じる「スターゲート」計画の一員とあって、同社にも買いが波及しました。

ソニーグループ(6758)は一時、2.3%高の4,315円を付け、株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。国内証券が同社の投資判断を従来から1段階引き上げて5段階で最上位の「1(買い)」に、目標株価は4,200円から5,000円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

日東電工(6988)は0.3%安の3,436円をつけ小幅に続落となりました。米アップル[AAPL]が9日、新型スマートフォン「iPhone17」シリーズを19日に発売すると発表するも、機能面はほぼ市場の想定通りと受け止められ、前日の米国市場でアップルは1%あまり下落しており、アップル関連銘柄とされる同社株価は軟調な推移となりました。

サワイグループホールディングス(4887)は0.8%高の2,023円をつけ反発となりました。傘下の沢井製薬が同業の日医工と後発(ジェネリック)医薬品の生産集約と品目統合に向けた協業で合意したと発表し、合意による生産効率の向上が同社の業績に貢献するとの見方から、買いが入りました。

宇宙ベンチャーのアクセルスペースホールディングス(402A)はストップ高水準となる17.9%高の986円を付け、大幅反発となりました。10日、日本を含む100カ国以上の政府や研究機関、民間企業などで構成する国際的な枠組み「地球観測に関する政府間会合(GEO)」に、日本の民間企業として初めて参加する企業に認定されたと発表し、これを材料視した買いが殺到しました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は主力株への買いが指数を支え、378円高となりました。明日は、米国で発表される8月のPPI(生産者物価指数)に注目が集まります。

コア指標は前年比3.5%上昇、前月比0.3%上昇が予想されており、ともに前月から減速が見込まれています。雇用情勢の悪化が顕著に表れる中で、懸念される物価指標が減速を示し、利下げ観測を強固なものとできるかに注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)