終値で高値を更新できずに発生した警戒シグナル
9月9日の東京市場で、日経平均株価が一時44,100円台をつけ、取引時間中の過去最高値を更新する場面がありました。しかし、取引終了にかけて伸び悩み、マイナスで終える結果となりました。
そうしたなかローソク足の形状を見ると、上ヒゲ陰線を形成しており、売り圧力の強さが見て取れる形となっています。こうした状況から、あるフォーメーションの発生に警戒が必要だと思われます。それは「ダブルトップ」です。もちろん、今の段階でダブルトップが発生する可能性は低いと考えられますが、「備えあれば憂いなし」。どういった条件の場合、ダブルトップの完成に近づくのかを探ってみましょう。
ダブルトップが完成する条件の1つとして注目したいのが、このまま高値を更新できずに5日移動平均線を下回り、さらに5日移動平均線に押し返される状態が続くことです。仮に5日移動平均線に押し返される状態が続くようなら、5日移動平均線が下向きに変化して低下が続きます。
また、そうなると株価が25日移動平均線を下回るとともに、5日移動平均線も25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生して、さらなる下落への警戒が必要になります。
モメンタムの低下も下落への警戒が必要になる理由
そして、もう1つの警戒シグナルが、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方の低下です。
仮に2本線が下向きに変化すると、上昇の勢いが弱くなるとともに下落の勢いの発生に注意が必要になります。特に、2本線の低下が続くとともに、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを割り込むと、下落の勢いのほうが強くなり、5日や25日移動平均線を割り込むことが視野に入ってきます。そのため、ダブルトップ完成への警戒と同様にモメンタムの低下にも警戒が必要になるのです。
このように、高値を更新できそうでできなかったために、トレンド転換のサインとなるダブルトップの完成や下落の勢いの強まりといった2つの警戒シグナルが発生しています。終値で最高値を更新できるまで、しばらく警戒を怠らないようにし、トレンド転換や下落の勢いの強まりに巻き込まれないよう注意したいところです。
