今週(8月18日週)はパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長の基調講演に注目
今週のポイントは、やはり8月21日~23日に開催されるジャクソンホール会合におけるパウエルFRB議長の基調講演の内容です。8月はFOMC(連邦公開市場委員会)がないため、9月の政策についてどのような発言内容になるのかが注目されます。
今週の東京市場では現物の取引時間中には発言内容を消化できず、8月22日の夜間の先物市場が内容次第で大きく反応することになりそうです。このタイミングで、今の上昇相場の反落のきっかけとなるとすれば、金利の上昇でしょう。また、2024年8月のジャクソンホール会合では、「利下げの時が来た」と表明し、9月に0.5%の大幅利下げに踏み切りました。
日経平均は史上最高値の価格帯
8月18日(月)の日経平均は先週末からの連日で史上最高値を更新しました。8月4日の直近安値からの短期間で3,400円程度も上昇しており、一日で1,000~1,500円程度のスピード調整が入っても不思議ではありません。楽観的かもしれませんが、最近は株価下落に怯える要因がないことも確かです。
忘れてはいけないのは、史上最高値の価格帯ということです。2024年に1989年の史上最高値を更新する初動があり、その後は1年程度の小休止を経て、再び史上最高値を更新してきました。誰も経験したことがない水準を歩んでいるという認識が重要です。
時代の違いや環境の変化に順応した考え方が必要
この先、どんな展開になるかが読み切れません。何を織り込んで株価は上昇しているのかをよく考える必要がありそうです。日経平均のPER(株価収益率)が17倍というのはやや行き過ぎで、割高という議論がありますが、個人的には特に問題ないと考えます。おそらく、今の上昇基調が止まって下げだすと、割高だからという議論が必ず出てくるでしょう。
ただ、それは日本株の低迷期も含めた過去のレンジを当てはめただけの議論であり、史上最高値を更新している「ニッポン」の株式市場の環境変化に対応した議論ではありません。そもそもPERの17倍は割高といえるのか?そこを先に議論する必要があると思います。逆に、PER17倍で株価上昇が止まるなら、日本の企業や株式市場は何も変わっていないことになります。
30年~40年前、日本がバブル時代だった頃に活躍した金融マンはすでに引退し、株式やFXを頻繁に売買する投資家層も、手数料の自由化や小口化、AIによるデータ処理能力の向上、高速売買などが主流となる中、取引スタイルは大きく変化しています。時代の違いや環境の変化に順応した考え方が、これからは必要になるでしょう。
