東京市場まとめ
1.概況
日経平均は217円高の42,866円で寄付きました。ドル円が前日比で円安・ドル高で推移していたほか、朝方に発表された2026年4~6月期のGDP(国内総生産)が市場予想を上回る成長を示したことが買い材料となりました。前場は節目の43,000円を前に一進一退の推移となるも、前引けにかけて上げ幅を拡大し、387円高の43,036円で午前中の取引を終えました。
後場は上げ幅を拡大する展開となりました。円安進行や、国内景気の底堅さを背景に、海外勢による買いが続き、後場は右肩上がりでの推移となりました。大引け間際の15時22分に756円高の43,405円をつけ本日の高値を更新しました。大引けは729円高の43,378円と最高値を更新して取引を終えました。
新興市場では東証グロース250指数が続伸、1.1%高で取引を終えました。
2.個別銘柄等
フジクラ(5803)は一時、4.1%高の12,390円をつけ上場来高値を更新しました。AI関連の投資が活発化する中、主要企業の決算発表も一巡し、改めて好業績銘柄を買う動きが強まっており、電線株への買いが目立ちました。古河電気工業(5801)も6.6%高で取引を終えています。
電通グループ(4324)は12.7%安の2,752.5円をつけ大幅続落となりました。14日、2025年12月期(今期)の最終損益が754億円の赤字になる見通しだと発表し、従来予想していた100億円の黒字から一転して赤字予想となり、業績の先行きを不安視する売りが膨らみました。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は一時6.0%高の2,374.5円をつけ、株式分割考慮ベースの上場来高値を付けました。15日の寄付き前に発表された2025年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値が市場予想を上回る内容となり、日本経済は底堅いとの受け止めから、日銀が早期に追加利上げに動くとの観測が銀行株の買いを誘いました。
国内大手の炭素素材メーカーである東海カーボン(5301)は5.2%高の1,050.5円をつけ大幅反発となりました。14日、国内証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「2(中立)」から最上位の「1(アウトパフォーム)」に、目標株価は、従来の1,060円から足元の水準を上回る1,300円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。
半導体等装置の部品メーカーであるフェローテック(6890)は一時4.6%高の3,895円をつけ年初来高値を更新しました。14日に発表した2026年3月期の第1四半期決算は、減価償却費や為替差損が重荷となり純利益が前年同期比44.8%減の26億円となったものの、電子デバイスや車載関連事業の改善傾向を評価した買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は週間で3.7%高の大幅上昇となりました。過熱感が意識されるものの、本日発表となった国内GDPが堅調であったように、日本経済の底堅さを材料とした買いが入った印象です。
来週にむけて、今晩発表される7月の米小売売上高に注目が集まります。前回6月は3ヶ月ぶりに増加となった同指標ですが、米経済の底堅さをけん引する個人消費が引き続き堅調さを保てるかに注目です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
