2025年7月30日、米国ホワイトハウスはトランプ大統領の「デジタル資産市場に関する大統領作業部会」による168ページの包括的報告書を発表しました。この報告書は、アメリカを「世界の暗号資産の首都」にするというトランプ大統領の公約実現に向けた具体的な提案を示しています。
主要な提案は5つの領域にわたります。
市場構造の整備では、CFTCに非証券デジタル資産の監督権限を付与し、DeFi技術の統合を促進。
銀行規制の現代化では、暗号資産業界への銀行サービス拒否を終了させる「Operation Choke Point 2.0」の完全撤廃。
米ドルの地位強化では、ドル裏付けステーブルコインの普及促進とGENIUS法の迅速な実施。
不法金融対策では、マネーロンダリング規則の現代化。
税制改革では、デジタル資産を新たな資産クラスとして扱う税制ルールの制定を求めています。
報告書は「暗号資産とブロックチェーン技術がアメリカの金融システムだけでなく、経済全体の所有権とガバナンスシステムを革命化する」と強調しており、CFTC代理委員長も「暗号資産の黄金時代」の到来を歓迎しています。
これまで、アメリカは明確な法規制がなかったため、イノベーションの促進が滞っている状況でした。今回、この報告書が公開されたことで、既存金融機関も含めたイノベーションが促進されていきそうです。
ビットコインが発明されて、16年。暗号資産ならびに、ブロックチェーン技術が、技術革新のメインストリームになっていきそうです。
- 大塚 雄介
- コインチェック株式会社 執行役員CBDO
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早稲田大学大学院修了、物理学修士号取得。株式会社ネクスウェイでB2B向けITソリューションの営業・事業戦略・開発設計を担当。レジュプレス株式会社に参画(2017年4月よりコインチェック株式会社に社名変更)。2014年2月に取締役に就任。2018年4月にコインチェック株式会社がマネックスグループ株式会社の子会社となると同時に執行役員に就任し、マーケティング・事業開発などを統括。2021年4月執行役員を経て、2023年9月より執行役員web3Cloud事業本部長。組込型の暗号資産購入サービス「Coincheck OnRamp」をはじめとするweb3Cloud事業を管掌。2024年9月より執行役員CBDOに就任。 *CBDO(Chief Business Development Officer):最高事業開発責任者
