東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場は主要3指数が揃って上昇し、中でもハイテク株が堅調だった流れを引き継ぎ、日経平均は240円高の39,886円と反発して寄付きました。一方で、日米の関税交渉の行方が不透明なことから売りが優勢となり、30分足らずで下落に転じました。9時27分には前場の安値である92円安の39,553円をつけ荒い値動きとなりました。その後は前日終値である39,646円を挟んで一進一退の推移となり、方向感に欠ける展開が続きましたが、52円安の39,593円で前引けとなりました。
後場も基調は変わらず、中ごろまでは前日終値付近での推移が続きましたが、大引けにかけて弱含み、最終的には76円安の39,569円で取引を終えました。
新興市場では東証グロース250指数が6日ぶりに反落し、0.4%安となりました。
2.個別銘柄等
ファーストリテイリング(9983)は6.9%安の43,500円をつけ、7日続落となりました。10日に発表した2025年8月期第3四半期決算では、営業利益が前年同期比12.2%増の4,509億円となり、この期間としては最高益となりましたが、利益水準がやや低めだったことから、ややネガティブな見方も出ており、株価は軟調に推移しました。
セブン&アイ・ホールディングス(3382)は3.3%高の2,235.5円をつけ、反発しました。10日に発表した2026年2月期第1四半期決算で、純利益は前年同期の2.3倍となる490億円となり、同時期としては3年ぶりの増益となったことから、これを好感した買いが入りました。
古河電気工業(5801)は3.0%安の7,093円をつけ、反落しました。みずほ銀行など一部株主が保有する同社株の合計156万6,300株が売り出されると発表され、当面の需給悪化を懸念した売りが優勢となりました。
ベイカレント(6532)は1.4%高の8,073円をつけ、5日続伸しました。10日、国内証券が同社の投資判断を5段階で上から2番目の「2(アウトパフォーム)」とし、目標株価を足元の水準を上回る8,700円に設定して調査を開始したことが明らかとなり、これを材料視した買いが入りました。
GENDA(9166)は3.0%高の873円をつけ、反発しました。11日、沖縄県のカラオケ施設1店舗を譲受したと発表し、これによる事業拡大への期待から買いが入りました。同社は、すでに展開している店舗との人的資源の共有や、消耗品などの共同購買による店舗運営効率の向上といったシナジーを見込んでいます。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は週間で0.6%安となり、取引を終えました。値がさ株であるファーストリテイリングの下落が指数を押し下げたほか、週末ということもあり、持ち高調整の売りが優勢となりました。
来週の注目材料としては、年初来で堅調に推移している良品計画(7453)の本日引け後の決算発表が挙げられます。また、来週は米大手銀行の決算発表も予定されており、業績だけでなく米経済の先行き見通しにも注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
