日経新聞の最終面の「私の履歴書」に、元横綱の大鵬が寄稿しています。最近の「私の履歴書」の中では一番面白いと思います。樺太から本土に引き上げてくるくだりや、猛稽古の話もなかなか興味深いのですが、今朝の四股名の話にはとても新鮮な驚きがありました。
「大鵬」という四股名は勿論親方が付けた訳ですが、その出典が荘子の「逍遙遊」(字が微妙に間違っているかも知れません)だというのです。
「北の海に「鯤(こん)」という、その大きさが幾千里もある大きな魚が棲んでいて、それがひとたび鳥と化すと「鵬」となってひとっ飛びで何万里も飛ぶという・・。」この話に因んで大きな飛躍を期待して付けられた名前だそうです。親方の教養と、弟子を思う気持ち。最近ではあまり聞けそうにない素晴らしい話ですね。