一旦天井をつけるのか、注目ポイントは?
6月最終週の日経平均株価は、6月26日に上放れた後に大幅高となり、6月27日、ついに4万円の大台を終値で回復しました。また、6月30日の取引時間中には40,852円をつけるなど、一時は2024年7月17日以来の株価水準をつけました。
ただ、6月30日のローソク足が陰線になると、7月に入って6営業日ぶりの反落となり、上向きの5日移動平均線に接近するとともに4万円を割り込んで終える結果となっています。
こうした状況から、一旦天井をつけてしまうのか、それとも再び4万円台を回復するのか気になるところです。そこでポイントになるのが、これまで何度も指摘した上向きの5日移動平均線と株価の位置関係です。
仮に上向きの5日移動平均線上を維持するようなら、短期の上昇トレンドが継続することになり、早期に4万円台を回復するとともに、2024年7月の高値に接近することが期待されます。
一方で、5日移動平均線を下回って戻せなくなったり、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になったりするようなら、今度は下向きに変化した5日移動平均線に株価が抑えられ、上向きの25日移動平均線や200日移動平均線辺りまで下落が続くことが考えられ、注意が必要です。
ただし、25日や200日移動平均線上で下げ止まって反発するようなら、中長期の上昇トレンドに変化はないため、押し目買いのタイミングになることが期待されます。

逆行現象の発生で、上値の重たい展開となるのか?
そうしたなか、上昇や下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回ってはいるものの、下向きに変化しているのが分かります。
また、ここでの注目ポイントは「逆行現象」の発生です。逆行現象とは、これまでモメンタムの解説を行うなかで何度か解説しましたが、株価が高値を更新しているにも関わらず、モメンタムが直近の高い水準に届かない現象のことを言います。
つまり、この逆行現象の発生は、株価が高値を更新しているにも関わらず、上昇の勢いが鈍っていることを指し、今回のように下向きに変化してしまうと、株価がピークアウトして一旦天井をつける可能性があることを示唆します。
そのため、2本線の低下が続くかが今後の注目ポイントです。仮に2本線の低下が続き、0ラインを割り込んでマイナスに沈んでしまうようなら、下落の勢いが強まっていることになります。5日移動平均線を割り込んで25日や200日移動平均線に接近することが考えられるので、買いポジションを持っている投資家は、押し目買いを控えるとともに、損失の発生や拡大に注意が必要です。
一方で、2本線が低下しても限定的だったり、上向きに変化して上昇したりするようなら、上昇の勢いが戻ることになり、反発に向かうとともに、上昇トレンドを回復することが期待されます。
今回はどのようなパターンに落ち着くのか、目が離せない7月相場になりそうです。