5月29日の高値を終値で更新できるか要注目
前回のコラムでは200日移動平均線と25日移動平均線に挟まれた日経平均が、上下どちらに動き出すかが注目ポイントとしました。また、「200日移動平均線を上回るようなら上放れることが期待される」としましたが、買いポジションを持っている投資家にとっては幸いなことに、200日移動平均線を上回るとともに、当時下向きだった5日移動平均線が上向きに変化して200日移動平均線に接近しています。
そのため今週は200日移動平均線上を維持できるかが注目ポイントになると思われます。仮に200日移動平均線上を維持するようなら、5日移動平均線が200日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生するとともに、5日移動平均線がサポートになって38,000円台から39,000円台に水準を切り上げることが期待されます。
一方で、200日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなったりするようなら、5日移動平均線を下回ることが視野に入ります。それとともに、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になることが考えられ、買いポジションを持っている投資家は注意が必要です。

メジャーSQ後の値動きに注意
そうしたなか、6月13日(金)に先物とオプションの清算値を決めるSQがやってきます。今回のSQはラージやミニなどの先物とオプションの清算値が決まるメジャーSQとなるため、商いが膨らんで短期的に株価が大きく変動することも考えられ、SQ前後の株価の変動に注意が必要でしょう。
特に、SQ値が算出された後、その値が高値になって日経平均が届かなくなるようなら、下降トレンドの発生が意識されます。その反面、安値になって日経平均が上回って推移するようなら、上昇トレンドが意識されることがあるため、SQ値算出後の値動きには特に注意が必要です。
モメンタムの水準と方向に注目
では、勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょう。モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っているものの、低水準で横ばいとなっています。
こうした状況から、モメンタムが水準を切り上げるかが注目されます。仮にモメンタムとシグナルの両方が水準を切り上げるようなら、上昇の勢いが強まり、200日移動平均線上を維持して、39,000円を目指すことが視野に入ります。その反面、2本線が低下して水準を切り下げたり、0ラインを割り込んで低下が続いたりするようなら、200日、5日、25日と順番に移動平均線を下回ることが考えられ、下降トレンドの発生に要注意です。