200日移動平均線と25日移動平均線に挟まれた状態の株価
前回のコラムでは、日経平均株価は「上向きに変化した5日移動平均線上を維持できれば、38,000円台を回復して維持することが視野に入りそうです」と解説しました。実際、5日移動平均線上を維持したことから、5月29日に終値で38,000円台を回復しました。
ただ、翌営業日に反落して38,000円を割り込んでしまったことに加え、接近する5日と200日移動平均線を6月に入って割り込んでしまいました。
一方で、上向きの25日移動平均線上を維持しており、200日移動平均線と25日移動平均線に挟まれた状態になっているのが分かります。このように、中期と長期の移動平均線に挟まれてしまった場合、上下どちらの移動平均線をブレイクするかが注目ポイントになります。
例えば、200日移動平均線を上回るようなら上放れることが期待されますが、25日移動平均線を下回るようなら、下放れることになり、75日移動平均線辺りまで下落することが視野に入ると思われます。
したがって、今週は株価が上下どちらに放れるか、とても重要な週と言えるのです。そこでもう一つ注目されるのが、モメンタムの向きと水準です。

モメンタムが上下どちらに動き出すかも要注目
上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムと見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ライン上で推移しています。これは上下どちらにも勢いが出ていない状態を示していることになり、モメンタムが上下どちらに動き出すかが、トレンド発生のカギを握っていると言えます。
したがって、モメンタムとシグナルの両方が上昇し始めるようなら、上昇の勢いが強まっていることなり、200日移動平均線を上回って維持することが期待されます。その反面、モメンタムとシグナルが0ラインを割り込んで低下するようなら、25日移動平均線を下回って戻せなくなり、75日移動平均線辺りまで下落したり、割り込んだりすることが考えられ、下降トレンドの発生に注意が必要になるのです。
下放れた場合の窓埋めに要注意
もち合いが形成されると、下げ止まっていることに注目が集まり楽観的な見方が増えて上放れへの期待が高まります。逆に下方向に株価が放れてしまうと、予想以上に下落が続くことが考えられるため注意が必要です。
なぜなら、以前にも解説した「埋まっていない窓」があいているからです。窓を埋める下落が発生した場合、34,000円辺りまで下落することが考えられるため、下放れた場合は下げ止まりが確認できるまで、リバウンド狙いの買いは控えるようにしたいところです。