【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,761.76  ▼1.11 (6/9)
NASDAQ: 19,591.24  △61.28 (6/9)

1.概況

昨日の米国市場では、主要3指数は小幅に高安まちまちとなりました。9日、米中両政府の2回目の閣僚級会議がロンドンで開かれると、交渉進展の期待から主力株を中心に買いが入りました。一方で、このところの株高による高値警戒感から利益確定売りや持ち高調整の売りが出たとみられ、取引終盤にかけては売りが優勢の展開となりました。

ダウ平均は23ドル高の42,786ドルで取引を開始すると、下落に転じ一時195ドル安まで下落して42,567ドルでこの日の安値を付けました。安値を付けた後は、反転上昇すると、上げ幅を広げていき、130ドル高の42,893ドルで高値を付けました。取引終盤にかけて売りに押されると、結局1ドル安の42,761ドルで取引を終え、小幅に反落となりました。

一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は61ポイント高の19,591ポイント、S&P500株価指数は5ポイント高の6,005ポイントで取引を終え、いずれも小幅に続伸となりました。

2.経済指標等

4月の米卸売在庫(確報値)は前月比0.2%増となり、前月比0.0%の速報値から上方修正されました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち5業種が上昇となり、特に一般消費財・サービスが1%超上昇しました。その他、素材や情報技術、エネルギー、コミュニケーション・サービスが小幅に上昇しました。一方で、公益事業や金融、生活必需品などの6業種が1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中13銘柄が上昇となりました。なかでも、ボーイング[BA]が3%超上昇したほか、アマゾン・ドットコム[AMZN]やウォルト・ディズニー[DIS]、キャタピラー[CAT]、アイビーエム[IBM]が1%超上昇しました。一方で、17銘柄が下落となり、特にトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]が2%超下落したほか、ナイキ[NKE]とアップル[AAPL]も1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]がアナリストの投資判断の引き上げを受けて、4.8%上昇しました。また、クアルコム[QCOM]は英国のアルファウェーブを約24億ドルで買収すると発表し、4.1%上昇しました。その他、テスラ[TSLA]は4.6%高、パランティア・テクノロジーズ[PLTR]は3.4%高、インテル[INTC]は2.1%高、アルファベット[GOOGL]は1.4%高となりました。一方で、クリーンエネルギーのエジソン・インターナショナル[EIX]は、アナリストによる投資判断の引き下げを受けて、8.1%下落してS&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。また、手術支援ロボットのインテューイティブ・サージカル[ISRG]も、アナリストによる投資判断と目標株価の引き下げを受けて、5.6%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前日から0.04%低い4.47 %で取引を終えました。ドル円は、144円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場で主要3指数は高安まちまちとなりました。一方で、フィラデルフィア半導体株(SOX)指数は2%近く上昇していることから、本日の日本市場でも半導体株を中心に買いが先行して始まると見込まれます。日経平均は、節目の3万8000円以上で値固めできるかが注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)