東京市場まとめ

1.概況

日経平均は287円高の38,028円と続伸で寄付きました。6日、堅調な雇用情勢を受けた米国市場は、主要3指数が揃って1%超上昇したことで日本市場も買いが先行してのスタートとなりました。ドル円相場の円安・ドル高進行も輸出関連株を中心に追い風となり、順調に推移した日経平均は、9時59分に436円高の38,178円をつけ本日の高値を更新しました。その後は伸び悩むも、底堅い推移となり395円高の38,137円で前引けとなりました。

後場は高値圏でのスタートとなるも、心理的な節目の38,000円を超えたことで、利益確定の売りも出やすく、徐々に上げ幅を縮小する展開となりました。38,100円を下回る水準では底堅く推移した日経平均は、最終的に346円高の38,088円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が3日ぶりに反発、0.4%高での取引を終えました。

2.個別銘柄等

大塚ホールディングス(4578)は5.3%高の7,135円をつけ6日ぶりに反発となりました。難治性の腎疾患を対象とした治療薬候補「シベプレンリマブ」について、最終段階となる第3相臨床試験(治験)の中間解析結果において良好な結果を示したとし、先行きの業績貢献への期待感が買いを呼びました。

リクルートホールディングス(6098)は1.9%高の8,281円をつけ3日ぶりに反発となりました。5月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数・平均時給の伸びがそれぞれ市場予想を上回り、米国内の労働需給が改善し、同社の収益に貢献するとの思惑から買いが入りました。

居酒屋「鳥貴族」を運営するエターナルホスピタリティグループ(3193)は11.8%高の3,240円と急騰して取引を終えました。6日発表した今期の第3四半期決算は純利益が前年同期比34.9%減の11億円となったものの、あわせて発表した5月の既存店売上高が前年同月比11.0%増と直近の堅調な売上動向を材料に買いが入りました。

総合塗料メーカーである日本ペイントホールディングス(4612)は4.3%高の1,141.5円をつけ反発となりました。外資系証券が、同社の投資判断を3段階で真ん中の「中立」から最上位の「買い」、また目標株価を従来の1,150円から1,470円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

ECを軸に若者向けアパレルブランドを展開するyutori(5892)は一時6.5%高の3,440円をつけ3日ぶりに反発となりました。6日、5月の月次売上高が前年同月比303.1%と、単月として過去最高の売上を達成したとして、これを好感した買いが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

先週末の米国株高をうけて、日経平均・TOPIXともに続伸となりました。今週は米中の閣僚級協議に加え、経済指標では米国の5月分のCPI(消費者物価指数)といった株価材料があり、その確認をするまでは動きづらい展開が予想されます。

目先の一番の注目は、やはり米中の閣僚協議で、米国側は中国が輸出するレアアース、中国側は半導体規制と双方の思惑があるなかで、どの程度折り合えるかが焦点となるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)