モトリーフール米国本社 – 2025年5月18日 投稿記事より

バークシャー・ハサウェイはシェブロン[CVX]から2025年、8億ドルを超える配当収入を受け取る予定

シェブロン[CVX]は、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ[BRK.B]の主要な保有銘柄の一つです。バークシャーは、この大手石油会社の発行済株式の6.8%(1億1,860万株、時価167億ドル相当)を保有しています。これはバークシャーの投資ポートフォリオの5.8%を占め、5番目に大きな保有銘柄です。

シェブロンが重要な投資対象となる特徴の一つは、高い配当利回りをもたらす配当金です。バークシャーは2025年、シェブロンから8億ドルを超える配当収入を受け取る予定です。パッシブ収入を求める投資家が、このバフェット氏が保有している銘柄に注目しておきたい理由をみていきましょう。

安定した高配当と強固な財務基盤を持つ優良石油株

シェブロンは現在、投資家に対して毎四半期1株当たり1ドル71セント(年間では6ドル84セント)の配当を支払っています。本稿執筆時点の株価は140ドル台前半の水準にあり、配当利回りは4.9%となっています。これは、平均的な配当株よりもはるかに高い水準です(S&P 500指数の配当利回りは現在約1.3%)。

大手石油会社であるシェブロンの高額の配当金は、非常に安定した経営基盤からもたらされています。原油価格は非常に変動しやすいものの、シェブロンは非常に強靭な事業を展開しています。シェブロンの強みの一つは、石油・ガスの低コストの資源ポートフォリオです。現在、同社の川上事業の損益分岐点は業界で最も低く、1バレル当たり30ドル前後となっています。原油価格が現在、60ドル台で推移しているため、シェブロンは配当金支払いと資本投資計画を賄うのに十分な現金を、余裕を持って生み出すことができるのでしょう。

シェブロンはまた、卓越したバランスシートも誇っています。同社の2025年第1四半期純負債比率は14%でしたが、これは同業の中でも最も低いグループに属し、目標レンジである20%~25%を大きく下回っています。この強固なバランスシートにより、原油価格が低迷している期間でも、事業拡大への資本投資や株主還元を継続するための柔軟性が確保されています。

シェブロンは数十年にわたり、配当の持続性を実証してきました。アイメア・ボナー最高財務責任者(CFO)は、「当社は幾度もコモディティサイクルを経験しましたが、38年連続で増配し、過去10年は成長という点においても同業他社をリードしてきました」と第1四半期の決算電話会議で強調しました。

持続的な成長を目指して事業基盤を構築

シェブロンは、将来的に増配を続ける絶好のポジションにいます。同社は、メキシコ湾(米国では「アメリカ湾」とも)、パーミアン盆地、カザフスタンでのプロジェクトにより、2026年までに、原油・ガス生産が年率約6%(複利計算)の増加が見込めるようになると試算しています。

また、これらの地域において利益率が高い原油・ガスの生産拡大に向けて投資を行うことにより、2026年までに、原油価格が1バレル当たり60ドルの水準の場合、90億ドルのフリー・キャッシュフローの増加を見込んでいます。

シェブロンは、2026年以降も成長を持続するための十分な経営基盤を持っています。同社はパーミアン盆地、メキシコ湾、地中海東部などの地域で、今後も大幅な生産拡大を予定しています。一方で、マイク・ワース最高経営責任者(CEO)は2025年第1四半期の電話会議で、「将来の機会に向けたパイプラインを拡張しています」と述べました。

ワースCEOは、シェブロンが2024年初め以降、採掘可能な面積を1,100万エーカー強拡大し、原油・ガスの新たな供給源を探索し続けていると付け加えました。さらに、米国のデータセンターに電力を供給するための天然ガス発電を進めており、アルゼンチンでの輸出能力を増強するパイプライン・プロジェクトにも参加しています。

シェブロンは、複数の低炭素エネルギー事業を構築しています。同社は、再生可能燃料、水素、CO2の回収・貯蔵に注力しており、これらの事業はCO2排出量がより少ないエネルギーを世界に供給し、将来的な成長を促すでしょう。

シェブロンは石油・ガス開発企業ヘス[HES]を対象とする大型買収の完了を見込んでいます。シェブロンは2025年5月後半に、同業のエクソン・モービル[XOM]が所有する南米ガイアナ沖のStabroek(スタブローク)油田におけるヘスの持分を巡る争いを解決するため、競合するエクソン・モービルと仲裁審問で対決する予定です。

シェブロンは訴訟で勝利する自信を深めており、最近、ヘスの発行済株式の約5%を購入しました。この取引が完了すれば、シェブロンの生産およびフリー・キャッシュフローの成長見通しは2030年代まで拡大・延長することが期待されます。

シェブロンの多様な成長要因は、今後数年間にわたってキャッシュフローと配当を増やし続けるための十分な基盤を提供するはずです。

シェブロンは、強固なビジネスモデルと財務内容に基づき、高配当利回りをもたらす配当金を提供しています。今後も成長が見込まれるため、同社の配当金は増加し続ける可能性があります。このような理由から、シェブロンの株式を購入することでバフェット銘柄に参加でき、魅力的な配当収入を得ることが可能になるでしょう。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Matt DiLallo はバークシャー・ハサウェイとシェブロンの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイとシェブロンの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。