企業が持続的な成長を遂げるためには、営業キャッシュフロー(以下、営業CF)を安定して生み出しつつ、そのキャッシュを効率的に投資活動へ振り向けることが不可欠です。営業CF対投資CF比率が100%以上である企業は、自己資本や借入に依存せず、自社の営業活動からのキャッシュフローだけで投資を賄うことができていることを意味します。加えて、営業CFの推移を確認することで、その企業の本業の成長性を確認することができます。

そこで、今回のスクリーニングでは、以下の基準でフィルタリングを行いました。

1)営業CF対投資CF比率が過去10年間一貫して100%以上であること
2)営業CFの過去10年間の年平均成長率が10%以上であること

これらの条件を満たした企業は29社あり、その中から今回は時価総額が大きい15銘柄をピックアップしてみました。リストには、アルファベット[GOOGL]、マスターカード[MA]、コストコ・ホールセール[COST]、フェラーリ[RACE]、デッカーズ・アウトドア[DECK]などが含まれています。

これらの企業は、業種も業績も異なりますが、共通して高収益かつ安定したキャッシュフローを持つ優良企業群と言えるでしょう。

例えば、アルファベットは、検索エンジンの広告収入を主要収益源しつつ、クラウド事業の成長にも注力しています。また、コストコ・ホールセール[COST]は、会員制ビジネスモデルを強みに持ち、会費収入で得られる安定的なキャッシュフローを基に、資産効率を徹底的に高める投資を行い、顧客満足度を高めています。マスターカード[MA]は、世界中の決済ネットワークを基盤に、キャッシュレス決済の普及を追い風に安定した手数料収入を確保しつつ、新興市場や企業向けソリューションの拡充にも注力しています。また、フェラーリ[RACE]も、生産台数を抑えて希少性を保ちながら、強固なブランド力を武器に高価格帯のラグジュアリーカー市場で安定した収益を確保しています。

これらの企業群は、業績の安定性と成長性のバランスが取れており、長期的な視点での投資候補として注目に値するでしょう。各企業の詳細な財務状況や成長戦略を確認しながら、割安なタイミングでの投資を検討していきたいところです。

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