東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場にて主要3指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は184円高の36,636円で寄付きました。ドル円相場が円安に推移したことや、日米の関税交渉を波乱なく通過したことが伝わり、朝方から堅調に推移し9時47分に524円高の36,976円と本日の高値を更新しました。その後は利益確定の売りが入ったことで伸び悩み、253円高の36,705円で前引けとなりました。

後場も堅調に推移し、再び上げ幅を拡大しての推移となりました。一方で、明日から連休に入り、米国の雇用統計やISM非製造業景気指数といった重要な経済指標の発表を控えており、積極的な買いは控えられ、上値の重い展開となりました。中ごろから36,800円台で推移した日経平均は、最終的には378円高の36,830円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が0.2%安で5日ぶりに反落となりました。

2.個別銘柄等

ヤマトホールディングス(9064)は一時7.7%高の2,124円をつけ年初来高値を更新しました。2026年3月期(今期)の営業利益は前期比2.8倍の400億円を見込み、2025年3月期の営業利益は142億円と前期比で大幅な回復見通しであることを評価した買いが集まりました。

ゼンショーホールディングス(7550)は3.5%安の8,700円をつけ反落となりました。1日、傘下の牛丼チェーン「すき家」の4月の全店売上高は前年同月比20.2%減であったと発表しました。3月には異物混入が発覚し、4月初めに全店が約3日間休業、また営業再開後も一定の客離れの影響があったとし売上の前年割れが株安につながりました。

伊藤忠商事(8001)は3.1%安の7,042円をつけ続落となりました。2026年3月期(今期)の当期純利益は前期比2.2%増の9,000億円を見込むとし、同時に発行済み株式総数(自己株式除く)の2.0%に当たる2,800万株、金額にして1,500億円を上限とする自社株買いの実施を発表しました。一方で、年間配当は前期と同じ水準の1株200円に据え置き、増配を期待していた投資家からの売りが優勢となりました。

丸紅(8002)は0.4%高の2,536円をつけ反発となりました。2026年3月期(今期)の当期純利益は前期比1.4%増となる5,100億円を見込むと発表し、市場コンセンサスを上回るガイダンスを好感した買いが入りました。

業務用八百屋の国内最大手であるデリカフーズホールディングス(3392)は3.2%高の520円をつけ反発となりました。日本経済新聞は、同社が野菜の仕入れ値上がり分を価格転嫁する等により、「2026年3月期(今期)の連結経常利益は、前期推定比で2倍強の15億円程度と最高益を更新する見通し」と報じたことで、業績改善の期待から買いが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は週間で3.2%高で取引を終えました。日銀の利上げ観測の後退や日米の関税交渉も少しずつ進展していること等、買いの手掛かりが増えてきた印象です。日本は、ゴールデンウイークの連休入りとなる中で、米国の経済指標や米ハイテク株決算に注目が集まります。

今晩は4月の雇用統計、また5日(月)にはISM非製造業景気指数の発表が控えています。また注目銘柄の決算発表も予定されており、5日にはパランティア・テクノロジーズ[PLTR]、6日にはアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]、データドッグ[DDOG]が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)