今週(4月25日~5月1日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米国株の続伸を追い風にするも、不透明感からもみ合い推移
ビットコインは、米国経済の先行き不透明感や米中貿易摩擦をめぐる懸念が残るも、米国株の続伸を背景に買い優勢の展開となった。
トランプ米大統領が習近平国家主席との電話会談をアピールし、対中関税の引き下げの可能性を示唆。中国側も対米関税の一部免除を検討していると報じられたことで、米中対立の緩和期待が高まった。これを受け、リスクオフムードが後退し、ビットコインは一時BTC=96,000ドル(約1,382万円)付近まで上昇した。
しかし、中国側が米国との関税交渉の事実を否定したことで米中間の緊張が再燃し、利益確定売りが優勢となった。一方で、米商務長官がインタビューでビットコイン準備金構想に言及したことや、現物ETFへの資金流入が継続したことが相場の下支え要因となった。
その後、2025年第一四半期の米GDPが2022年以来のマイナス成長となり、景気後退懸念が強まった。一方、同日に発表されたPCE価格指数ではインフレ鈍化が確認され、スタグフレーション懸念はやや後退。加えて、大手ハイテク企業の好決算を受けて米国株が8連騰を記録する中、ビットコインにも買いが波及した。

来週(5月2日~5月8日)の相場予想
BTC(ビットコイン)はFOMCや米中関係の動き次第でさらなる上昇に期待
来週のビットコインは、FOMCや米中関係の動き次第でさらに上昇する展開が期待される。
トランプ米大統領は就任100日目の演説でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長を批判し、改めて利下げを求める姿勢を示した。こうした政治的圧力の下で、FRBがFOMCでどのようなスタンスを示すかに市場の関心が集まっている。これまでと同様に利下げに慎重な姿勢が維持されれば、リスク資産全般に売り圧力がかかる可能性がある。一方、ハト派寄りに傾けば、相場全体が上昇する展開も想定される。
また、米中関係の動向も引き続き注目だ。中国国営メディアによると、米国が関税交渉を求めて中国側に接触しているとされ、実際に交渉が進展すれば、米中貿易摩擦の緩和を好感した買いがビットコインにも波及する可能性がある。ただし、今回のように、報道が否定されるような展開となれば、リスク回避の動きが強まる懸念もある。
さらに、暗号資産市場では、米アリゾナ州で審議中のビットコイン準備金法案の行方が注視されている。州議会を通過し、知事の署名待ちという最終段階にあるが、仮に成立すれば州レベルで初の導入事例となり、大量購入の期待によってビットコインが大きく上昇する可能性がある。逆に否決された場合には失望売りが強まるだろう。
加えて、来週はイーサリアムが大型アップデート「Pectra(ペクトラ)」の実装も予定されている。市場の関心を回復するためにも無事にアップデートを完了することが重要になる。一方で、再び延期となれば開発体制の不信感が強まり、ブロックチェーンとしての立場をさらに弱める恐れがあるだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=100,000ドル(約1,440万円)、下値はBTC=88,000ドル(約1,267万円)を意識する。