【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 39,186.98 △1,016.57 (4/22)
NASDAQ: 16,300.42 △429.52 (4/22)
1.概況
昨日の米国市場は、主要3指数がそろって大きく反発しました。前日に大きく下げたことから主力株を中心に見直し買いが見られたほか、ベッセント米財務長官が関税を巡る中国との対立は長くは続かず、緩和していく見通しだと述べたことが投資家心理の改善につながり買いが広がりました。
ダウ平均は345ドル高で取引を開始すると、上げ幅を広げて一時は1,101ドル高まで上昇しました。午後にかけて上げ幅を縮める場面も見られましたが、引けにかけては再び買われ、最終的に1,016ドル高の39,186ドルで取引を終え、5日ぶりに大幅反発となりました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は429ポイント高の16,300ポイントで取引を終え、5日ぶりに反発しました。S&P500株価指数も129ポイント高の5,287ポイントで取引を終え、反発しています。
2.経済指標等
4月の米リッチモンド連銀製造業指数はマイナス13.0となり、市場予想(マイナス7.0)と前回結果(マイナス4.0)を下回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、11業種すべてが上昇しました。金融と一般消費財・サービスは3%以上上昇し、コミュニケーション・サービスや公益事業、エネルギー、情報技術、素材、不動産は2%以上上昇、ヘルスケアと資本財・サービス、生活必需品は1%以上上昇しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄すべてが上昇しました。なかでも、良好な決算を公表したスリーエム[MMM]が8%以上上昇したほか、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]とアメリカン・エキスプレス[AXP]は4%以上上昇しました。また、ゴールドマン・サックス[GS]やビザ[V]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、アップル[AAPL]、マクドナルド[MCD]、セールスフォース[CRM]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]が3%以上上昇したほか、その他の多くの銘柄が1~2%以上上昇しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、航空機エンジンのGE エアロスペース(ゼネラル・エレクトリック)[GE]が第1四半期決算で市場予想を上回るEPS(1株当たり純利益)を公表したうえ、通期見通しも維持したことで、株価は6.1%上昇しました。また、米国の主要信用会社の一社であるエキファックス[EFX]は、第1四半期決算で増収・増益を達成し、株価は13.8%上昇してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。
一方、防衛・宇宙事業のノースロップ・グラマン[NOC]は第1四半期決算で市場予想を下回る売上高とEPSを公表したうえ、通期ガイダンスにおいてEPSを下方修正したことで、株価は12.7%下落してS&P500株価指数の値下がり率ランキングでワーストとなりました。また、ハリバートン[HAL]は第1四半期決算で減収・営業減益となり、5.6%下落しました。テスラ[TSLA]は通常取引終了後に第1四半期決算を発表し、売上高・EPSともに市場予想を下回ったほか、ガイダンスについては第2四半期の報告で再検討を予定しており、今回は決算報告から成長回帰に関する文言を削除しています。冴えない決算内容ながら、決算発表後の時間外取引では売り買いが交錯した末、執筆時点(日本時間4月23日6:30)では株価が上昇しています。
5.為替・金利等
米長期金利は、前営業日から0.01%低い4.40 %となりました。ドル円は、142円後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場で主要3指数がそろって大きく反発した流れを引き継ぎ、本日の日本市場も上昇して始まることが予想されます。日経平均は3万5000円台の回復に向けて、上げ幅を広げる展開が想定されます。
本日も決算発表が多く控えており、国内ではファナック(6954)、シマノ(7309)、日本航空電子工業(6807)、米国ではボーイング[BA]、サービスナウ[NOW]、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]などの発表が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)